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ベンチに座る前にわざわざハンカチを敷くポワロに、そこまで気になるんですか、とつい笑ってしまいました。「名探偵ポワロ」は、事件の行方と一緒に、探偵の細かな仕草まで楽しみになってしまう作品です。アガサ・クリスティの小説や短編を原作に、英国の放送局ITVで放送されました。
見ているうちに、この几帳面さにも愛着がわいてきます。デヴィッド・スーシェが演じるエルキュール・ポワロは、何事にもきっちりした私立探偵です。親友のアーサー・ヘイスティングズや、頭の切れる秘書のミス・フェリシティ・レモンも登場して、初期のユーモアのある雰囲気にはずいぶん和ませてもらいました。
それから、初期のアールデコの建物や室内も、つい眺めてしまいます。事件についてあれこれ推理しながら、部屋のしつらえまで気になるんですよね。ポワロの仕草を追ったり、背景に見入ったり、謎解きのほかにも楽しみが増えていくのがうれしかったです。
この記事では、私がポワロの細かな仕草に笑い、容疑者をあれこれ疑いながら見進めた感想を交えつつ、「名探偵ポワロ」の全話あらすじとネタバレ、見どころを余すところなく紹介します。
ぜひ、几帳面なポワロが事件の謎を解き明かしていく姿を一緒に見届けましょう♪
名探偵ポワロ あらすじ・見どころ
舞台は1930年代のロンドン。几帳面で身だしなみに人一倍こだわる私立探偵エルキュール・ポワロのもとには、盗難や失踪、密室での殺人といった一筋縄ではいかない依頼が次々と持ち込まれます。相棒は、人がよくて少しおっちょこちょいな親友アーサー・ヘイスティングズ。有能な秘書ミス・フェリシティ・レモンが事務所を切り盛りし、スコットランドヤードのジャップ警部も、なんだかんだでポワロの推理を頼りにしています。
ポワロが大切にするのは、足で証拠を集めることよりも「灰色の脳細胞」で考えること。容疑者たちの小さな嘘や、誰も気に留めない違和感をつなぎ合わせ、最後に関係者を集めて真相を明かす――おなじみの流れが、毎回きっちり楽しめます。
見どころ
シーズン1〜5(通算第1〜41話)は、クリスティーの短編を中心に約50分でまとめた回が並びます。1話完結なので、どこから見始めても大丈夫です。ポワロとヘイスティングズ、ミス・レモン、ジャップ警部の4人がそろう軽妙なやり取りは、この時期ならではの楽しさです。
アールデコ調の建物や当時の車、衣装など、1930年代の英国を再現した映像も楽しみのひとつです。事件の推理に集中するのはもちろん、背景に映る部屋のしつらえまでつい眺めてしまいます。
「名探偵ポワロ 各話あらすじ」はこちらから
ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
第13話
第14話
第15話
第16話
第17話
第18話
第19話
第20話
第21話
第22話
第23話
第24話
第25話
第26話
第27話
第28話
第29話
第30話
第31話
第32話
第33話
第34話
第35話
第36話
第37話
第38話
第39話
第40話
第41話
キャスト・登場人物
「名探偵ポワロ」のキャスト&主な登場人物一覧です。
エルキュール・ポワロ(演:デヴィッド・スーシェ)
細かな違和感を拾い、事件の真相に迫る私立探偵です。第4話では、食べたとされる菓子で歯が染まっていない点にも目を向けます。第13話で銀行口座の残高を決まった額にそろえていることが分かると、そこまできっちりしたいのかと笑ってしまいます。クルミットは、この人の細かいこだわりに付き合う時間がけっこう好きです。
アーサー・ヘイスティングズ(演:ヒュー・フレイザー)
第14話で、通行人を見張り役と思わせる策を考えるのがこの人です。エルキュール・ポワロの親友で、捜査にも同行します。こういう機転を見ると、もっと活躍するところを見たくなります。
ジェームス・ハロルド・ジャップ(演:フィリップ・ジャクソン)
エルキュール・ポワロと長年の付き合いがある警察の捜査官です。第15話では、部屋から出ずに事件を解けるかという賭けを持ちかけており、最後に賭け金を払うところまで含めて、つい笑ってしまいます。
ミス・フェリシティ・レモン(演:ポーリーン・モラン)
私はこの人に事務仕事をお願いしたくなります。エルキュール・ポワロの秘書で、第3話では新しい書類の分類法を披露します。第16話では、彼の推理のやり方を使って紛失した鍵を捜しており、そんな身近な用事に応用するところも好きです。
相関図
エルキュール・ポワロとアーサー・ヘイスティングズは、事件の調査をともにする親友同士です。第8話では、警察の車を使って逃走する相手を一緒に追いかけます。
エルキュール・ポワロとジェームス・ハロルド・ジャップは、捜査で協力する長年の知り合いです。第12話ではアーサー・ヘイスティングズも交え、公園で模型の帆船を眺めながら話す場面があり、仕事以外でも顔を合わせています。
エルキュール・ポワロとミス・フェリシティ・レモンは、雇い主と秘書の関係です。第2話では彼女がシャツの洗濯を手配しており、身の回りの用事にも関わっています。その洗濯店への対応についてアーサー・ヘイスティングズが助言する場面もあり、二人の間にも日常的なやり取りがあります。
評価・レビュー
海外ドラマ「名探偵ポワロ」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
ネタバレを表示する
「名探偵ポワロ」は、あの仲間たちともう少し一緒にいたくなる作品です。エルキュール・ポワロの細かいこだわりには、ちょっと面倒な人ですね、と感じるところにも愛着が湧きます。事件の仕掛けと同じくらい、身近な人とのやり取りが心に残りました。
第13話で、アーサー・ヘイスティングズと遊んでいたモノポリーの説明書が、犯人をあぶり出す材料になる流れは楽しかったです。その説明書まで役に立つのですね! ふたりの遊びを事件の解決につなげる脚本には、素直に感心しました。こういう寄り道があると、登場人物をもっと好きになります。
第39話では、かつて思いを寄せた女性が友人と結婚し、その息子のひとりに主人公の名前がつけられていたことが胸に残りました。相手の家族の中に、自分を大切に思ってくれた証しがあるのですね。あの名づけには、私までうれしくなります。恋が実らなかったことも含めて、忘れにくい再会でした。
第40話の犯人には腹が立ちます。娘を相続から外させないために殺人を犯し、さらに別の女性に犯行を思い込ませ、自殺へ追い込もうとするのです。あの身勝手な追い込み方だけは好きになれません。 追い詰められる女性のことを考えると、解決まで落ち着かない気持ちになりました。一度犯人が示されてから、さらに危機が続く構成には、少し引っ張りすぎにも感じます。
シリーズ後半について気になるのは、第9シーズン以降に笑いが減り、重い作風へ移るところです。初期の仲間が登場しない期間も長く、あのやり取りを好きになった私には寂しさがあります。もう少し気楽に付き合える時間が欲しくなりました。
デヴィッド・スーシェの演技には、几帳面で少し面倒な人物として親しめるところが好きです。原作の人物像に近い演技として、批評家や愛好家からの評価も高い役です。小さなこだわりを大切にした役作りには納得します。
今また思い返したくなるのは、ふたりがモノポリーで遊ぶ時間です。あの説明書の行き先を知ったうえで、もう一度あのやり取りに付き合いたくなります。
撮影秘話とトリビア
「名探偵ポワロ」の世界をもっと深く楽しめます!知れば知るほど面白い、ドラマのトリビアや撮影裏話をご紹介します。
本編では見られないキャストたちの素顔や、制作の裏側に迫るエピソードを集めました♪
主人公の住まいに使われたフローリン・コート
エルキュール・ポワロの住まい、ホワイトヘイヴン・マンションのロケ地は、ロンドンのチャーターハウス・スクエアにあるフローリン・コートです。建物には実在する名前があり、劇中では架空の名称で登場しています。
家族の推薦から始まった主演起用と、93項目の役作りメモ
デヴィッド・スーシェを主演に推薦したのは、アガサ・クリスティーの家族でした。別のテレビ作品での演技を見たことが、そのきっかけになったそうです。
役作りにあたって、デヴィッド・スーシェは原作の長編や短編を読み、エルキュール・ポワロの特徴を書き出しました。本人が後に明かしたメモの数は、93項目に及びます。声や小刻みで速い歩き方も、原作の描写を手がかりに生み出したとのことです。あの独特の振る舞いを、文章から一つずつ組み立てていった過程が興味深いですね。
ベンチに敷くハンカチをめぐって、降板寸前に
第1シーズンの撮影中、デヴィッド・スーシェは、公園のベンチに座る前にハンカチを敷く所作を入れるべきだと主張し、監督と衝突しました。役の細かな癖を守ろうとする意見の対立は、本人が降板しかけるほど深刻になったそうです。小さな動作にも、原作の人物像を大切にする姿勢が表れています。
最後の撮影は、クリスティーが暮らしたグリーンウェイで
シリーズで最後に撮影されたエピソードのロケは、2013年6月、アガサ・クリスティーの旧居であるグリーンウェイ・エステートで行われました。原作者ゆかりの場所が、長く続いたドラマの撮影を締めくくる舞台になっています。
衣装デザインは英国アカデミー賞で受賞
1990年の英国アカデミー・テレビ・クラフト賞では、「名探偵ポワロ」の衣装を担当したリンダ・マトックが衣装デザイン賞を受賞しました。登場人物の装いにも、改めて目を向けたくなりますね。
名探偵ポワロ 本国での評価
「名探偵ポワロ」は、英国ITVで1989年1月8日から2013年11月13日まで、全13シーズン・70話が放送されました。カナダやアメリカでも放送され、最終話「カーテン」までに、ポワロが登場するクリスティーの主要作品はすべて映像化されています。
デヴィッド・スーシェのポワロは、原作のイメージにもっとも近いポワロとして長く愛されてきました。1990年の英国アカデミー賞では、クリストファー・ガニングの音楽と、リンダ・マトックの衣装デザインがそれぞれ受賞しています。
製作体制と原作 ― クリスティーの長短編を映像化した脚本陣と制作の変遷
「名探偵ポワロ」は、原作の人物像を大切にしながら、テレビドラマとして時代設定や登場人物の配分を調整してきた作品です。脚本陣の仕事と制作体制の変化をたどると、初期の軽妙なやり取りから後期の重厚な心理描写まで、シリーズの作風をより深く楽しめます。
監督・脚本家
初期の脚本を支えたのが、クライヴ・エクストンです。プロデューサーのブライアン・イーストマンとパイロット版に取り組み、2人は最初の8シーズンで脚本と制作の中心を担いました。エクストンは本作で長編7作と短編14作を脚色しています。その後、2人は「ローズマリー&タイム」の制作に取り組んでおり、テレビのミステリー作品を継続して手がけたつながりもあります。
アンソニー・ホロヴィッツも、長編3作と短編9作の脚色を担当しています。また、コメディアンで小説家でもあるマーク・ゲイティスは3話の脚本を手がけ、ゲスト出演もしています。執筆と演技の両面から参加したスタッフがいる点も、このシリーズの制作背景として興味深いところです。
原作小説
原作は、アガサ・クリスティーがエルキュール・ポワロを主人公に書いた推理小説群です。各話は長編小説または短編小説をもとに制作されています。世界中で読み継がれている、クリスティーを代表する探偵シリーズです。
主演のデヴィッド・スーシェは、役作りのためにポワロの長編・短編を読み、人物の特徴を書き出していました。物語を脚色する脚本陣に加えて、主演俳優も原作の記述を演技の土台にしていたことが分かります。
ドラマ化での主な改編点
- 時代設定を1930年代中心に整理しています:原作は1920年代から1970年代にかけて、それぞれの執筆当時を舞台にしています。ドラマでは初期の多くのエピソードを1936年に置き、例外を除いて、おおむね1935年から1939年の流れにまとめています。
- 初期はミス・フェリシティ・レモンの描写を厚くしています:原作の初期作品に登場する従僕ジョージは、ドラマ初期では登場を省かれています。これは、ミス・フェリシティ・レモンの人物像を発展させるための構成でした。
- 後期には原作にない重い題材を加えています:第9シーズン以降には、脚色対象の原作にはない薬物使用や中絶などの要素が加わっています。初期のユーモアを抑え、深刻な人間関係や心理を描く方向へと作風も変化しています。
出品・制作体制
制作は当初のLWTから、グラナダ・プロダクションズ、ITVプロダクションズを経て、ITVスタジオズへと移っています。アガサ・クリスティー社も、1989年から2013年まで制作会社として名を連ねています。シリーズの刷新にはミシェル・バックとダミアン・ティマーが関わり、2人はのちに制作会社マンモス・スクリーンを設立しています。
ロケ地では、ロンドンのチャーターハウス・スクエアにあるフローリン・コートが、ポワロの住居として使われました。最後に撮影されたエピソードは「死者のあやまち」で、2013年6月にクリスティーの旧宅グリーンウェイで撮影されています。
OST ― クリストファー・ガニングが手がけた、受賞歴のある音楽
「名探偵ポワロ」の第1〜9シリーズで音楽を担当したのは、作曲家のクリストファー・ガニングです。本作の音楽で、1990年の英国アカデミー賞のテレビ音楽部門を受賞しています。
OP(オープニングテーマ)・ED(エンディングテーマ)
メインテーマには異なる編曲があり、一部の回のエンディングでは弦楽器による軽快なアレンジが使われています。
最終話「カーテン」について【ネタバレ注意】
シリーズ最終話は「カーテン」です。英国では2013年11月13日に放送されました。原作は、アガサ・クリスティーが1975年に刊行した小説「カーテン」で、ポワロ最後の事件として知られる作品です。
最終話には、エルキュール・ポワロと親友アーサー・ヘイスティングズ、執事のジョージが登場します。第1話から長く見守ってきたふたりの物語がどう締めくくられるのか、シリーズを通して見てきた方ほど胸に迫る一本です。
最終話と同じ日には、デヴィッド・スーシェが原作者ゆかりの場所を訪ねて、役作りや撮影を振り返るドキュメンタリー特番も英国で放送されました。
基本情報
| タイトル | 名探偵ポワロ(名探偵ポワロ) |
|---|---|
| 英語タイトル | 名探偵ポワロ |
| 日本での放送 | NHK BSプレミアム4K(毎週火曜 21:00〜)ほか(※放送・配信状況は時期により変動します) |
| 放送年 | 1989年1月8日~2013年11月13日(英国・ITV) |
| 話数 | 全70話(全13シーズン) |
| ジャンル | 英国ミステリー・犯罪ドラマ |
| 脚本 | クライヴ・エクストン、アンソニー・ホロヴィッツ ほか |
| 主な出演 | デヴィッド・スーシェ(エルキュール・ポワロ役) ヒュー・フレイザー(アーサー・ヘイスティングズ役) フィリップ・ジャクソン(ジェームス・ハロルド・ジャップ役) ポーリーン・モラン(ミス・フェリシティ・レモン役) |
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