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クルミットです♪
今回は、屋敷の爆発で夫を亡くしたロザリーンと、その財産をめぐるお話です。
大金を受け継いだ彼女のそばには、暮らしのすべてを監視する兄のデビッド。一族のお金への執着にも嫌な気分になりますが、この兄の態度がどうにも引っかかりました。
ロザリーンを心配するより、彼女を自分の思いどおりに動かしたいように見えてしまうんですよね。
ここからは事件の結末にも触れていきます。
それでは57話を一緒に見ていきましょう!
名探偵ポワロ シーズン10第4話「満潮に乗って」のあらすじ
ポワロは、ポーター少佐から2年前の爆発について聞きます。少佐が片脚を失うことになった、痛ましい出来事でした。
大富豪のゴードン・クロードは、若い女優のロザリーンと結婚。そのお披露目会に出席するため、少佐は屋敷へ出向いていたのです。
ところが、屋敷でガス爆発が起こります。ゴードンと多くの使用人が即死し、ロザリーンと兄のデビッドは助かったといいます。
結婚のお祝いに出かけて、片脚を失うほどの被害に遭うなんて。少佐の話を聞くだけでもつらいです。
ゴードンの死後、財産を受け継いだのはロザリーンでした。しかし、その財産を牛耳っているのはデビッドです。
彼は妹の行動を監視し、何もかも自分の管理下に置いていました。そこへ、ゴードンの妹であるウッドワードが、ポワロの事務所を訪ねてきます。
ゴードンの親族たちは、ロザリーンが財産を相続したことに強い不満を抱いています。自分たちが頼りにしていたお金を、若い妻に奪われたと受け止めていたのでした。
夫を亡くした人に、そんな目を向けなくてもいいのに。ロザリーンが一族の中で気を休められないのも無理はありません。
一族には、顧客のお金を失った弁護士や、薬物に依存している医師もいます。それぞれに問題を抱え、ゴードンの財産をあてにしていました。
デビッドも、その事情を知っています。人が集まる席で、ロザリーンから借りたお金を返すよう親族たちに要求する場面も。
人前で返金させられる親族たち。デビッドは、相手が恥をかくことなど気にしていません。
お金を返してもらうにしても、わざわざ皆の前でやらなくていい! 相手の弱いところをつかんでいる感じが嫌でした。
そんな一族の中には、アフリカで病院を運営していた女性がいます。ポワロは彼女の父を知っていて、以前から家族と付き合いがありました。
彼女には婚約者がいますが、デビッドに心を寄せるようになります。デビッドも彼女と恋愛関係になっていました。
彼のどこに惹かれたの? ロザリーンや親族への接し方を見ていると、私はどうしても心配になってしまいます。
一方、ロザリーンは匿名の電話に苦しめられています。電話の相手は、彼女を激しい言葉で繰り返し侮辱していました。
この嫌がらせをしていたのは、ウッドワードです。財産を相続したロザリーンへの恨みを、本人にぶつけていたのでした。
顔を見せずに電話で追い詰めるなんて、ひどい! お金が欲しいからといって、ここまでしていい理由にはなりません。
ロザリーンは、モルヒネを大量に使って自ら命を絶とうとします。モルヒネは強い痛み止めで、使い方を誤ると命に関わる薬です。
しかし、彼女は命を取り留めます。一族の医師が彼女のモルヒネを盗み、残りをひまし油で薄めていたため、命を落とす量には達しなかったのでした。
医師自身もモルヒネに依存していました。その行動が、結果として彼女の命を救うことになったのです。
薬を盗んでいたことには困ってしまうけれど、彼女が助かって良かった! ここでは本当にほっとしました。
デビッドは、命を取り留めた彼女を抱きしめます。しかし、この抱擁の裏には、彼女を追い詰めてきた本人の恐ろしい秘密が隠れていました。
そして、爆発を生き延びたポーター少佐も、自ら命を絶ってしまいます。
少佐まで亡くなってしまうのがつらいです。片脚を失うほどの爆発を生き延びた人なのに、と思うとやりきれません。
ポワロが明らかにしたのは、ロザリーンの正体でした。ゴードンの妻として暮らしていた女性は、本物のロザリーンではなかったのです。
彼女は、ロザリーンに仕えていた使用人でした。本物のロザリーンは、ゴードンとともに2年前の爆発で亡くなっていたのでした。
デビッドは生き残った使用人に妹を演じさせ、ゴードンの財産を支配していたのです。
ずっとロザリーンだと思っていた人が、使用人だったとは! デビッドに監視される毎日が、急にもっと怖くなりました。
使用人の女性が逆らえなくなった事情も明かされます。デビッドは彼女に性的暴行を加え、妊娠させたうえで、中絶を強いていました。
カトリックの信仰を持つ彼女は、中絶を重い罪と受け止めて苦しんでいました。デビッドはその罪悪感につけ込み、自分に従わせていたのです。
自分が傷つけた女性を、罪の意識で縛り続けていました。
彼女が自分を責める必要なんてないのに。こんなことをしたデビッドが、彼女に罪を背負わせているのが腹立たしい!
デビッドは、彼女をロザリーンに似せるため、頭皮から血が出るほど乱暴に髪を切っていました。その傷は、爆発でけがをしたように見せるためにも使われます。
自分の頬にも、彼女にかみそりで傷をつけさせていました。兄妹そろって爆発を生き延びたように装うためだったのです。
その後も彼女をモルヒネに依存させ、過剰に使って命を落とす方向へ追い込んでいました。
髪を切られることも、別人として生きることも、自分では選べなかったんですね。デビッドに抱きしめられても、安心できるわけがありません。
そして、屋敷の爆発そのものも事故ではありませんでした。仕組んだのはデビッドです。
鉄道技師だった彼には、工事などで使うダイナマイトの知識がありました。彼は使用人の女性を避難場所に隠し、屋敷に時限爆弾を仕掛けていたのです。
ゴードンも、本物のロザリーンも、大勢の使用人も、その爆発で殺されました。
財産への欲に、妹への恨みも重なっていました。デビッドは妹の結婚を、自分が捨てられたこととして受け止め、彼女への復讐を企てていたのです。
妹が結婚したことへの恨みで、屋敷にいた人たちまで殺すなんて。お祝いに来た少佐も、働いていた使用人たちも巻き込まれてしまったのが苦しいです。
ポワロは、ロザリーンを憎みながら、仲のよい家族のように取り繕ってきた親族たちも責めます。
しかし、目の前の女性が使用人だとわかっても、一族の怒りは収まりません。相続する権利のない女性が自分たちの財産を持っていたとして、いっそう憎しみを向けるのでした。
ここまで聞いても、まだお金の話なの? 彼女が何をされてきたのか、少しはそちらを見てほしいです。
ポワロの怒りは、デビッドにも向けられます。無関係な人々を殺し、使用人の女性を傷つけ、彼女の信仰まで利用した行いを厳しく責めました。
女性には神の許しがないかのように思い込ませてきたデビッド。ポワロは、神の慈悲を拒まれるべき者がいるとすれば、それはデビッド自身だと突きつけます。
追い詰められたデビッドは、皆が集まっている宿にも爆弾を仕掛けたと脅します。
そこで、彼に心を寄せていた女性が、二人の愛情を頼りに思いとどまるよう訴えます。デビッドは折れ、宿の爆弾ははったりだったと明かしました。
宿まで爆破すると言い出したときは、さすがに身構えました。これ以上、誰も巻き込まれずに済んで良かった!
デビッドは、やがて絞首刑に処されます。ロザリーンを名乗らされていた使用人の女性は、生き残りました。
アフリカから戻っていた女性は、婚約者との婚約を解消し、慈善活動に戻ります。イギリスへいつ帰るのか、そもそも帰るのかとポワロに尋ねられても、彼女自身、答えはわかりませんでした。
名探偵ポワロ シーズン10第4話「満潮に乗って」の感想まとめ
いちばん心に残ったのは、ポワロが使用人の女性を苦しめてきたデビッドに、怒りを向けた場面です。
彼女は暴力を受けたうえに、自分が罪深い人間なのだと思わされていました。その彼女の前で、ポワロがデビッドを厳しく責めてくれたことに、少し救われました。
誰かにそう言ってもらえるだけでも、違うと思うんです。彼女はずっと、自分を傷つけた相手の言葉を聞かされてきたのだから。
一族の反応にも、かなり嫌な気持ちが残りました。使用人だったと知って、事情を気の毒に思うより、お金への怒りが強くなるところがきつかった。
デビッドに借金を人前で返させられたときは気の毒でしたが、あの女性への態度には寄り添えません。
そして、命を取り留めた彼女をデビッドが抱きしめた場面。すべてわかったあとでは、その手から早く離してあげたくなります。
アフリカへ戻る女性も、帰国の予定を無理に決めなくていいと思いました。あの一族やデビッドに振り回されたあとなら、少し離れていたいです。
何より、ロザリーンを名乗らされていた女性が生き残ったことにほっとしました。あの抱擁から離れて生きていけることが、うれしいです。
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