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クルミットです♪
船旅の途中で、部屋の中から聞こえてきた声。その声を聞いたとき、まさか話している相手まで疑うことになるとは思いませんでした。
今回の「海上の悲劇」は、妻に頭が上がらない大佐と、その大佐に親しくする女性たちが登場するお話。夫婦のやり取りが気になる一方で、寄港先を満喫するポワロの友人には、ちょっと笑ってしまいます。
この記事では、事件の結末と声の仕掛けまで触れていきます。
それでは7話を一緒に見ていきましょう!
名探偵ポワロ シーズン1「海上の悲劇」のあらすじ
ポワロは友人とともに、大きなヨットで船旅をしています。船には、大佐とその妻をはじめ、さまざまな乗客が乗り合わせていました。
大佐は妻に強く出られず、夫婦の間ではすっかり押され気味です。妻は自分の意向を押し通す人で、夫を振り回しています。
旅先でも奥さんの言いなりになるのは、きついですね。大佐にも、少しゆっくり過ごしてほしくなります。
しかし、妻のそばを離れた大佐は、女性たちに人気があります。自分よりずっと若い女性たちまで、彼と一緒に過ごしたがるほどでした。
見た目が特別華やかな人というわけではありません。それでも、話がおもしろく、人を楽しませる魅力を持っています。
大佐はかつて、音楽や芸を楽しむ演芸場の舞台に立っていた人物。人を引きつけることには慣れていたのです。
話していて楽しい人のところに集まりたくなるのは分かります。奥さんといるときの窮屈そうな関係を知ると、こちらまで少しほっとしてしまいました。
大佐と若い女性たちの親しさを、気にしている女性の乗客もいました。ポワロは、大佐が若い女性と過ごすことを、深刻に受け取らせないように話します。
でも、その女性はごまかされません。若い女性たちも、自分も、子どもではないと返すのでした。
ここはポワロの言葉だけでは収まりませんね。相手の女性も、ちゃんと分かったうえで話しているんですから。
一方、大佐の妻に長年思いを寄せているのが、将軍です。何十年も彼女を好きでいるものの、夫人のほうにはその気がありません。
夫人は、関心がないことをかなりはっきり示しています。それでも将軍は、彼女の態度を受け入れられずにいました。
長く好きでいたことには切なさもありますが、夫人が応じていないのは気になります。ここは夫人の気持ちも受け止めてほしいところ。
この将軍には、女性の乗客との、少しおかしなやり取りもあります。座って考えごとをしていないで、運動したらどうかと勧めるのです。
すると女性は、この時期は宗教上の理由でできないと返します。将軍はその返事に、すっかり戸惑ってしまいました。
運動を勧めたら、思いがけない返事! さらりとかわした女性に、ちょっと笑ってしまいます。
船上でこうしたやり取りがある一方、ポワロの友人は観光にも関心を向けています。ただし、よくある観光客向けの場所は避けたいと話していました。
ところが寄港先では、木で作られたラクダに乗って記念撮影。衣装まで次々に着替えて、写真を撮ってもらっています。
避けたいと言っていた観光は、どこへ行ったんですか? 衣装まで替えているのが可笑しくて、ここは気が緩みました。
そして、大佐の妻が船室で殺されているのが見つかります。部屋には鍵がかかっており、内側から閉ざされたように見える状態でした。
夫人をめぐる人間関係が、事件とともに違った意味を持ち始めます。長く思いを寄せ続けていた将軍も、疑われる人物の一人となります。
しかし、この事件で大きな意味を持つのは、大佐が船を離れる前の出来事でした。
大佐は若い女性たちと出かける前、妻の船室の外で言葉を交わしています。妻は部屋の中にいて、扉越しに返事をしたように聞こえました。
その場には、大佐が扉の外にいることを確認できる人たちもいました。つまり、夫だけが妻の生存を主張していたわけではありません。
部屋から返事が聞こえたら、本人がいると思ってしまいませんか? 私も、この時点では声をそのまま信じてしまいます。
妻と話したあと、大佐は若い女性たちと船を離れます。この順番なら、出かける直前まで妻は生きていたことになります。
大佐にとっては、自分が船を離れている間に事件が起きたと示すための、大事な会話でした。犯行があった時間に別の場所にいたとする、アリバイにつながるのです。
人に聞かれていた会話なら、安心してしまいそうです。そこに仕掛けがあるなんて、すぐには疑えません。
大佐には、カードでいかさまをする技術もあります。人を欺く手際を持っている人物ではありました。
ただ、今回の殺人に使われたのは、カードの技ではありません。ポワロが解き明かすのは、大佐が持っていた別の芸でした。
それが腹話術です。口の動きを目立たせず、自分以外のところから声が出ているように聞かせる芸を、大佐は使えたのです。
カードのいかさままでできると聞くと、そちらが気になります。でも、疑うところは手元よりも、あの声だったんですね!
大佐は妻との会話を、一人で演じていました。自分の言葉に続けて妻の声も出し、部屋の中から返事が来たように思わせていたのです。
実際には、その時点ですでに妻は殺されていました。扉の向こうにいた妻は、もう返事をしていません。
妻を殺した犯人は、大佐本人だったのです。
妻の声まで夫が出していたと分かると、あの会話が急に嫌なものになりました。周りの人は、普通に二人が話していると思っていたのに。
大佐は妻を殺したあと、部屋の外から鍵をかけています。そして、人に見られる場所で妻に話しかけ、腹話術で返事を作っていました。
鍵のかかった部屋と、扉の向こうから聞こえる声。その二つをそろえることで、妻が室内で生きているように見せかけたのでした。
大佐が若い女性たちと出かけたのは、その偽りの会話を聞かせたあとです。妻の死んだ時刻を誤って受け取らせれば、外出が自分を守ることになります。
奥さんに振り回されて気の毒だと思っていたぶん、これはつらいです。周りの人と出かける前に、こんなことを済ませていたなんて。
妻に支配されてきた夫婦関係が、この犯行の背景にあります。しかし大佐は、その妻を殺し、彼女の声まで使って自分への疑いをそらそうとしていました。
ポワロは、一人で会話の両方を演じられることを示し、大佐のアリバイを崩します。聞こえた声だけでは、妻が生きていた証明にはならなかったのです。
ただし、会話の仕掛けを説明できたことと、殺人の直接の証拠があることは別です。この段階で、ポワロが犯行そのものを裏づける証拠まで突きつけたわけではありません。
それでも大佐は、取り押さえられると怒りをあらわにし、犯行を認めます。妻の声を使って作ったアリバイは、夫自身の告白によって終わりを迎えました。
最後に怒りをぶつける大佐が、きつかったです。人を楽しませることのできる人が、妻の返事まで演じていた。その事実が、なかなか頭から離れません。
名探偵ポワロ シーズン1「海上の悲劇」の感想まとめ
いちばん残ったのは、扉越しの返事を大佐が一人で作っていたと分かるところです。妻の声だと思って聞いていたものが、夫の腹話術だったとは。
あの場に一緒にいたら、私も妻は部屋にいると受け取ってしまいそうです。大佐の姿が扉の外に見えているなら、なおさら疑いにくいですよね。
返事の内容を考えるより先に、声がしたから生きていると思ってしまう。その思い込みを利用されるのが嫌でした。
大佐に同情する気持ちも、途中まではありました。旅に出てまで妻に振り回されている様子は、見ていてしんどかったです。
若い女性たちが一緒に過ごしたがるのも、大佐と話すと楽しいから。妻のそば以外にも、気楽に過ごせる相手がいることには安心していたのに。
それだけに、妻を殺したうえで、彼女の声をまねていたと知ると気持ちが沈みます。妻の態度にイライラしたことまで、少し持て余してしまいました。
夫人の言い方や振る舞いが苦手でも、殺されたことを仕方ないとは思えません。扉の向こうから聞こえたあの返事を、本人がしてくれていたらよかったのに。
将軍の長年の片思いも、すっきりしないものでした。何十年も好きだったと聞けば気の毒になりますが、夫人が応じていないことも、そのまま受け止めてほしかったです。
そんな船旅の中で、木のラクダに乗る友人の姿には救われました。ありきたりな観光を避けたがっていた人が、衣装を替えて記念撮影までしているんですから!
あのくらい素直に旅を楽しんでいる姿は、見ていて気が楽です。事件のことを知ったあとだと、あの場面ののんびりしたおかしさが、ありがたく思えます。
でも、最後に戻ってくるのは、大佐が妻に話しかける場面でした。もう返事のできない妻に向かって呼びかけ、自分でその声を出していた大佐には、やっぱり腹が立ちました。
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