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クルミットです♪
今回は、ポワロが楽しみにしていた青銅像のコレクションが、殺人事件に結びついてしまうお話です。
訪問先の主人は、戦争の話まで自分のもうけにつなげてしまう人。食事を一緒にするだけでも疲れそうですが、身近で働く人たちの事情を知ると、もっと嫌な気持ちになりました。
主人を殺したのは誰なのか、犯人と結末まで触れながらお話しします。
それでは35話を一緒に見ていきましょう!
名探偵ポワロ シーズン5第2話「負け犬」のあらすじ
物語の始まりでは、化学会社の主任化学者が、ドイツの同業者から届いた手紙を読んでいます。そこに書かれているのは、ドイツで進められている化学研究についてでした。
そしてポワロは、友人の誘いで、その化学会社を経営する男性の屋敷を訪れます。お目当ては、主人が集めているベルギーの青銅像です。
ベルギーはポワロの故郷。主人の持つコレクションに興味を引かれ、招待を受けたのでした。
ところが、食事の席で主人が話し始めると、せっかくの訪問がずいぶん居心地の悪いものになっていきます。
主人は、ドイツとの戦争が起こると予想しています。それを心配するどころか、自分の会社が利益を得る機会として語るのです。
売り先がイギリスの敵になる国でも、主人には構いません。化学製品を売ってもうけることに、ためらいがない様子だった。
戦争の話をしながら、そんなに自分のもうけを喜べるものなんですね。隣で食事をするのもきついです。
ポワロは第一次世界大戦で故郷を離れた人です。主人の話を、気楽な商売談義として聞けるわけがありません。
しかも主人は、ドイツが戦争を始めれば、まずベルギーに侵攻し、短期間で片づけてしまうだろうという趣旨の発言までします。
ポワロにとっては、故郷の人々が抵抗しようとする気持ちまで軽く扱われる言葉。主人の兄弟も、ドイツへ製法を売って利益を得ようとする考えには反発しています。
ポワロの故郷だとわかっていて、その言い方はやめてほしい! 青銅像を楽しみに来た人に聞かせる話ではありません。
主人の無神経さは、商売の話だけでは終わりません。大切なコレクションも、自分の望む値段で買ってくれるなら、誰に売ってもいいという態度です。
売ったあとで像を溶かされ、金属として処分されても気にしない。ポワロが惹かれた青銅像への愛着は、持ち主からは見えてきません。
食事のあと、ポワロは友人に主人への不満をこぼします。これほど不愉快な人物には会ったことがないというほど、腹に据えかねていました。
出されたワインにも不満があり、化学工場で作られたような味だとぼやきます。
ワインのことまで言いたくなるポワロに、少し笑ってしまいました。食卓でずっと我慢していたんですね。
そんな主人が、執務室で遺体となって発見されます。お茶の盆を持って入ったメイドは、床に倒れている主人を見つけ、盆を取り落としてしまいます。
主人は頭を殴られていました。凶器に使われたのは、屋敷にあったベルギーの青銅像です。
ポワロを屋敷へ引き寄せた品が、人の命を奪う道具になってしまったのでした。
お茶を運んだ先に遺体があるなんて、メイドが気の毒です。こんな発見の仕方はつらい。
主人は周囲に威圧的に振る舞い、敬意を求める人でした。しかし、親しまれていたわけではありません。
その死を心から悲しむ人は見当たらず、ポワロ自身も主人への嫌悪感を抱えています。とはいえ、誰かが主人を殺した事実は変わりません。
捜査では、まず遺産の行方が問題になります。遺言では、財産の半分を妻に、残る半分を主人の兄弟に渡すことになっていました。
一方、甥には遺産が残されていません。そして、その甥が、主人を最後に生きている状態で見たとされる人物です。
最後に会った人というだけでも気になりますが、遺言の内容を聞けば、お金をめぐる不満にも目が向きます。
ただし、財産を受け取る側にも事情があります。妻と夫の兄弟には、不倫をうかがわせる関係があるのです。
遺産をもらう人にも、もらえない人にも気になる事情がある。甥が最後に会ったという話だけで、決めつけたくありません。
主人の仕事にも、恨みにつながりそうな問題がありました。自分の特許を会社に盗まれたのではないかと疑い、調べている人物もいます。
そして、会社の主任化学者も、主人のやり方に苦しめられていた一人です。
主任化学者が開発したのは、合成ゴムの製法。合成ゴムとは、化学的に作られるゴムのことです。
会社との契約では、この製法を使い、会社が製造したゴムから得られる収入の一部を、主任化学者が受け取れることになっていました。
自分の研究が製品になれば、その分の報酬をもらえる。ところが、主人は製造をドイツの会社へ任せる方針を取ります。
ここで問題になるのが、契約にある製造元の条件です。主任化学者に取り分があるのは、あくまで主人の会社が製造した分だけでした。
ドイツの会社が製造すれば、主人の会社で作る量はゼロになります。研究成果は使われるのに、主任化学者の取り分はなくなってしまうのです。
同じ研究の成果を使っているのに、作る会社が変われば報酬はゼロ? そんな逃げ方、ずるいです!
主人は、主任化学者の契約を正面から破ることなく、報酬を払わずに済ませようとしていました。主任化学者には、自分の製法をドイツへ渡されることへの恨みがあったのです。
ポワロが主任化学者と事件について話す場面では、ワイン色の液体が入ったフラスコにも目を向けます。
食事で出されたワインへの文句が、ここでも顔を出します。ポワロはその液体を、ワインになぞらえてみせるのでした。
あのワイン、まだ引っかかっていたんですね。嫌な主人の食卓だったことまで、思い出してしまいました。
事件を調べるうえで役立つのが、ポワロの秘書が興味を持ち始めた催眠術です。
主人の妻への催眠術を通じて、ポワロは重要な手がかりを引き出します。遺言や会社の契約を調べるだけでは届かないところに、事件を解く助けがありました。
そして、主人を殺した犯人は、会社の主任化学者だったとわかります。
主任化学者は、自分の製法をドイツへ渡される件で主人を恨み、執務室に忍び込んでいました。そこから出ようとしたところを、主人に見つかってしまいます。
それが殺害のきっかけでした。主任化学者は、主人の持っていた青銅像で、その頭を殴ったのです。
遺産をめぐる事情や、主人を最後に見た人物への疑いの先にあったのは、研究の取り分を奪われた人の犯行でした。
契約の話には私も腹が立ちました。でも、青銅像で殴ってしまったところまで聞くと、やっぱりつらいです。
事件のあとには、催眠術をめぐる少しおかしな結末も待っています。ポワロの秘書が、今度はポワロの友人に催眠術をかけるのです。
すると友人は、ゴルフでホールインワンを決めてしまいます。最初の一打だけで、ボールをカップに入れることに成功しました。
妻から手がかりを引き出す助けになった催眠術が、最後はゴルフでも役に立つのでした。
ここでホールインワンまで出るとは! 嫌な話の多かった屋敷を離れて、ようやく少しほっとしました。
名探偵ポワロ シーズン5第2話「負け犬」の感想まとめ
いちばん腹が立ったのは、製造先を変えるだけで、主任化学者の報酬をなくしてしまう主人のやり方です。
研究の成果は欲しい。でも、研究した本人には払いたくない。契約の条件をそんなふうに使われたら、文句を言う気力まで削られそうでした。
主任化学者が主人を恨んだ理由は、よくわかります。自分の作ったものが使われるたびに、報酬を取り上げられたことも思い出してしまいそうで、そこがしんどかった。
だからこそ、主人に見つかったあと、青銅像で殴ってしまったのが悲しいです。研究の話をしていた人が、最後には殺人の犯人として明らかになるのは重かった。
食事の席での主人も、本当に苦手でした。戦争で利益を得る話も、ベルギーへの言い方も、聞かされる相手の気持ちをまるで気にしていません。
ポワロは青銅像を見たくて訪ねてきたのに、持ち主は売ったあとに溶かされても構わないという。その話まで聞かされるのは、がっかりしますよね。
主人への不満と一緒に、ワインのまずさまでこぼすポワロには親しみが湧きました。大きな嫌なことがあった日に、食事の小さな不満まで忘れられなくなる感じはわかります。
最後に秘書の催眠術でホールインワンが決まる場面は、素直に笑えました。事件で役立ったからといって、ゴルフでもそこまでうまくいくなんて、あの一打には少しうらやましくなりました。
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