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「ブロードチャーチ 殺意の町」は、海辺で遺体が見つかった11歳のダニー・ラティマーの家族を見ているのが、本当につらかったです。母親のベス・ラティマーの悲しみがこちらまで伝わってきて、一話見終わっても、すぐには別のことに気持ちを切り替えられませんでした。
それに、捜査をする二人のぎくしゃくしたやり取りも気になるんです。町に赴任してきた不愛想なアレック・ハーディ警部補と、地元をよく知るエリー・ミラー巡査部長。ダニーの家族ともつながりのあるエリーが、身近な人たちを疑わなければならないのが苦しくて、つい彼女の側に立って見てしまいました。
英国のITVで放送されたこの作品では、小さな町に広がる疑いや、報道が住民に与える影響も描かれます。顔なじみ同士の関係が揺らいでいくうちに、私まで住民の言葉をいちいち疑うようになってしまうんです。誰かが登場するたびに怪しんでしまって、途中からは自分の予想にも自信がなくなりました。
この記事では、私が犯人の予想を何度も変え、ダニーの家族を案じながら完走した感想を交えつつ、「ブロードチャーチ 殺意の町」の全話あらすじとネタバレ、見どころを余すところなく紹介します。
ぜひ、海辺の町でハーディとエリーが真相を追う姿を一緒に見届けましょう♪
ブロードチャーチ 殺意の町 あらすじ
イギリスの海辺の町で、崖の下から11歳のダニー・ラティマーの遺体が見つかります。母親のベス・ラティマー、父親のマーク・ラティマー、姉のクロエ・ラティマーは、突然、大切な家族を失います。互いの顔を知る小さな町に、少年の死の知らせが広がっていきます。捜査を担当するエリー・ミラー巡査部長は、被害者の家族と以前からつながりがあります。町の人たちと悲しみを共有しながら、自分は少年の死を調べる側に立たなければなりません。
ともに捜査するのは、町に来たばかりのアレック・ハーディ警部補です。無愛想な彼との間には、最初から冷たい空気が流れます。町にはメディアの注目も集まり、少年を悼む人々の間にも、互いを疑う気持ちが入り込んできます。捜査が進むにつれ、住民たちが抱えていた秘密も浮かび上がります。よく知っているはずの隣人が、疑いを向ける相手になっていきます。少年を失った町で、誰の言葉を信じればよいのでしょうか。あの崖の下に至るまでに、少年に何が起きたのでしょうか。
見どころ
第1話で、崖の下に11歳の少年の遺体が見つかる導入から、私はかなり苦しくなりました。母親も父親も姉もいる、その家の子が亡くなったのだと思うと、すぐには犯人探しに頭が切り替わりません。
私が気になったのは、エリー・ミラー巡査部長が、知っている家族の事件を担当することです。相手のことを以前から知っているぶん、事情を調べるのもつらそうです。一緒に捜査するアレック・ハーディ警部補は無愛想で、二人の間もぎくしゃくしています。この組み合わせで捜査を進めるのは、疲れそうです。私は二人が一緒に出てくると、事件の手がかりと同じくらい、お互いへの接し方が気になってしまいました。
町に報道の注目が集まり、住民同士が疑い合う展開も、正直しんどかったです。登場人物が増えるたびに私まで怪しい人を探し始めてしまって、誰かを疑う気持ちの広がり方にぞっとしました。
「ブロードチャーチ 殺意の町 各話あらすじ」はこちらから
ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
第13話
第14話
第15話
第16話
第17話
第18話
第19話
第20話
第21話
第22話
第23話
第24話
キャスト・登場人物
「ブロードチャーチ 殺意の町」のキャスト&主な登場人物一覧です。
アレック・ハーディ警部補(演:デヴィッド・テナント)
正直、最初はぶっきらぼうな態度が気になります。エリーが昇進を望んでいたポストに着任し、ダニーの事件を担当する警部補です。以前担当したサンドブルック事件をめぐって、記者のカレンと対立しています。医師から仕事を離れるよう忠告されても捜査を続けるので、見ている私はこの人の体調まで心配になります。
エリー・ミラー巡査部長(演:オリヴィア・コールマン)
休暇から戻ると、希望していたポストにはハーディが着任していました。そのハーディと組んで少年の死を調べることになる、地元の巡査部長です。息子のトムにダニーの訃報を伝える場面もあり、家庭にも事件の影響が及びます。
仕事で悔しい思いをした直後に、この捜査ですから、クルミットはエリーにいちばん肩入れしてしまいます。
マーク・ラティマー(演:アンドリュー・バカン)
ダニーが亡くなった夜の行動について、警察への説明と食い違う映像が見つかり、疑いを向けられます。ベスの夫で、クロエとダニーの父親です。隠していたベッカとの不倫が明らかになると、ベスの立場で見ている私は腹が立ってしまいます。息子を失った家族が、その隠し事にも向き合わされる展開はつらいです。
ベス・ラティマー(演:ジョディ・ウィテカー)
朝、台所に残されたダニーのお弁当に気づきます。この何気ない場面が、私は頭から離れません。マークの妻で、クロエとダニーの母親でもあり、息子を失ったあと、誰にも話していなかった妊娠をポールに打ち明けます。夫の不倫まで知ることになるベスには、もう勘弁してあげてほしいと思ってしまいます。
クロエ・ラティマー(演:シャーロット・ボーモント)
弟ダニーの事件を調べる警察に、自分の部屋から見つかったコカインについて説明することになります。マークとベスの娘で、薬物はベッカの宿泊客に渡すために預かっていたものと明らかになります。
ダニー・ラティマー(演:オスカー・マクナマーラ)
崖の下の浜辺で遺体となって発見される、11歳の少年です。ジャックの店で新聞配達をしており、事件当夜にはスケートボードで通りを移動する姿が防犯カメラに残っています。
ジョー・ミラー(演:マシュー・グラヴェル)
エリーの夫で、トムの父親です。エリーと一緒にハーディと食事をする場面や、ハーディがトムに話を聞こうとしたところで会話に入ってくる場面があります。
トム・ミラー(演:アダム・ウィルソン)
ダニーの死を母エリーから聞いたあと、携帯電話のメッセージやパソコンのファイルを消します。この行動は、どうしても引っかかります。ジョーとエリーの息子で、のちにはポールに、削除したファイルを復元できるか尋ねます。
カレン・ホワイト(演:ヴィッキー・マクルア)
独占記事を狙って町にやって来る全国紙の記者です。オリーにジャックの過去を記事にするよう勧めるなど、取材を進める勢いには少し身構えてしまいます。
マギー・ラドクリフ(演:キャロリン・ピクルズ)
スーザンの身元に疑問を抱き、本人に問いただす記者です。オリーとともにハーディへの取材も進め、サンドブルック事件について本人から話を聞きます。
オリー・スティーヴンス(演:ジョナサン・ベイリー)
エリーのおいにあたる地元の記者で、カレンがクロエに近づくきっかけを意図せずつくってしまいます。警察官の親族でもあるので、情報の扱いには見ているこちらがひやひやします。
ポール・コーツ牧師(演:アーサー・ダーヴィル)
ベスが、まだ家族にも伝えていない妊娠を打ち明ける相手です。ダニーとトムがコンピューターに関心を持っていたことを知っており、警察から二人について話を聞かれます。
ベッカ・フィッシャー(演:シモーン・マコーレー)
ホテルを経営しており、クロエから連絡を受けたあと、ダニーが亡くなった夜にマークと関係を持っていたことを警察に証言します。
ナイジェ・カーター(演:ジョー・シムズ)
マークの仕事仲間で、事件当夜の彼のアリバイを裏づけようとしますが、自分の母親の説明によってその話が崩れてしまいます。
ジャック・マーシャル(演:デヴィッド・ブラッドリー)
新聞販売店を営み、ダニーを新聞配達として雇っていました。過去を取り上げた記事が扇情的に扱われ、町で疑いが広がっていく展開には、見ていて息が詰まります。
スーザン・ライト(演:ポーリン・クワーク)
ダニーのスケートボードを、自分のトレーラーハウスに隠し持っています。マギーから別の名前ではないかと問われる場面もあり、何を伏せているのかが気になる女性です。
スティーヴ・コネリー(演:ウィル・メラー)
電話設備の作業員で、霊的な力によって事件に関する情報を得たと主張します。船が事件に関わっていると語り、ハーディにはペンダントの話もしますが、私はまずその根拠を聞きたくなります。
相関図
捜査の中心は、ハーディとエリーです。エリーが希望していたポストにハーディが着任し、二人はダニーの事件を一緒に調べることになります。エリーには夫ジョーと息子トムがおり、地元の記者オリーはエリーのおいです。
マークとベスは夫婦で、クロエとダニーは二人の子どもです。ダニーの死を調べる過程で、父マークとホテル経営者ベッカの不倫が明らかになります。マークの仕事仲間ナイジェも、彼のアリバイを裏づけようとして捜査に関わります。
トムとダニーには友人関係があります。ダニーの死後、トムは二人が親友だったという見方を否定する発言もしており、その関係が捜査で問われます。牧師のポールは二人のコンピューターへの関心を知る人物で、ベスからは妊娠について相談を受けています。
報道では、全国紙のカレンが地元の記者オリーと接点を持ち、ジャックの過去を記事にするよう勧めます。マギーはオリーとともにハーディを取材し、スーザンの身元についても本人に問いただします。
ダニーの日常につながる人物が、新聞配達の雇い主だったジャックです。また、行方が分からなくなっていたダニーのスケートボードをスーザンが隠し持ち、スティーヴは事件について霊的な情報を得たと主張して、ハーディやベスに関わってきます。
評価・レビュー
海外ドラマ「ブロードチャーチ 殺意の町」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
ネタバレを表示する
全24話を見終えて、ベス・ラティマーとエリー・ミラー巡査部長のことがまだ気になっています。気軽にもう一周したいとは言えません。子どもを失った家族に何度もつらい思いをさせるので、途中は少し疲れました。二人のそばを離れにくくなるドラマです。
第8話、ダニー・ラティマーの携帯電話の信号を追った先がミラー家で、ジョー・ミラーが殺害を認める流れは、今も嫌な重さが残っています。妻が捜査してきた時間まで思い返してしまいました。この人の家族はどうなるのかと考えると、事件の答えが出ても少しも落ち着けません。ダニーが父親に話すと言ったことで殺されてしまうのも、あまりにつらいです。
第16話の無罪判決には、またこの家族が傷つくのかと気持ちが沈みました。ジョーの裁判とサンドブルックの事件を追う第2シリーズは、話が行き来するたびに集中が途切れます。証言や秘密を次々に重ねる脚本には、もう少し遺族の気持ちについていく時間が欲しかったです。人物の事情を覚えるだけで精いっぱいになるところもありました。
デヴィッド・テナントとオリヴィア・コールマンの演技には、ずっと助けられました。ぶつかりながら捜査を続ける姿に、またこの二人を見たいと思えます。メタクリティックの批評家評価は、第1・第2・第3シリーズの順に100点中91点、73点、85点です。私も中盤には引っかかりが残ります。
第24話で、レオが少年にトリッシュへの性暴力を強いた経緯を知ったときは、やりきれませんでした。被害を軽く扱い、反省もしない態度には腹が立ちます! この人物の言い分は最後まで受け入れられません。終盤で犯行の説明が続くぶん、トリッシュの気持ちをもう少し見たかったです。最後に刑事二人が翌日も仕事で会うつもりで別れるところでは、少しだけほっとしました。ベスたちには、しばらく何も起きないでほしいです。
撮影秘話とトリビア
「ブロードチャーチ 殺意の町」の世界をもっと深く楽しめる、トリビアや撮影裏話をご紹介します。
キャストが決まるまでのエピソードから、画面の緊張感を生んだ撮影方法まで、制作の裏側を集めました♪
印象的な断崖は、ドーセット州ウェスト・ベイで撮影
海岸の風景で印象に残るのが、ドーセット州ウェスト・ベイのハーバー・クリフとハーバー・クリフ・ビーチです。作品を象徴する断崖と浜辺には、実在する場所が使われています。
一方、シリーズ1のロケ撮影の多くが行われたのは、サマセット州北部のクリーヴドンでした。シリーズ2では、同地のセント・アンドリューズ教会が、劇中の教会と墓地の撮影場所になっています。
主演の二人はオーディションなしで出演を打診
エリー・ミラー巡査部長役のオリヴィア・コールマンは、脚本家のクリス・チブナルが第一候補にしていた俳優で、オーディションなしで出演を打診されました。アレック・ハーディ役のデヴィッド・テナントにも、オーディションを経ずに役がオファーされています。
さらに、最初に配役が決まったのは、ポール・コーツ牧師役のアーサー・ダーヴィルでした。この役は、彼が演じることを念頭に置いて書かれていたそうです。
犯人の正体を共有していたのは29人
シリーズ1では、キャストとスタッフが犯人の正体を漏らさないという誓約書に署名していました。最後の3話を撮影していた段階でも、その秘密を知っていたのは、真相が明かされる場面に関わる4人のキャストを含む29人でした。
本編の多くに採用された「最初のテイク」
シリーズ1ではリハーサルを最小限に抑え、俳優が撮影開始まで演技をする場所を見られないこともありました。監督のジェームズ・ストロングは、最初のテイクに生まれる自然な反応を重視していたそうです。
実際に、本編で使われた映像の多くは最初のテイクでした。一方で、セリフの即興はほとんど行われていません。準備を重ねて同じ演技を繰り返す方法とは異なる、緊張感を引き出す工夫がうかがえます。
第9話は英国で視聴者シェア30.1%を記録
シリーズ2の幕開けにあたる第9話は、2015年1月5日の英国放送で平均730万人が視聴し、視聴者シェア30.1%を記録しました。
英国アカデミー賞で作品と出演者が受賞
シリーズ1は、英国アカデミー賞(BAFTA)のテレビ部門でドラマシリーズ賞を受賞しました。俳優では、エリー・ミラー巡査部長役のオリヴィア・コールマンが主演女優賞を、デヴィッド・ブラッドリーが助演男優賞を受賞しています。
ブロードチャーチ 殺意の町のイギリスでの評価
ブロードチャーチ 殺意の町は、イギリスのITVで放送され、脚本や映像、出演者の演技が評価された犯罪ドラマです。英国アカデミー賞での受賞実績もあり、物語と演技の両面で評価を得た作品です。
2013年から2017年に放送された全3シリーズ
シリーズ1は、2013年3月4日にITVの午後9時の枠で放送が始まりました。その後、2015年にシリーズ2、2017年にシリーズ3が放送され、2017年4月17日に全3シリーズ・24話で完結しました。企画・脚本を手がけたクリス・チブナルは当初から3部作を構想しており、シリーズ3を最後の物語としています。
英国アカデミー賞で作品と俳優陣が受賞
シリーズ1は、英国アカデミー賞でドラマシリーズ賞を受賞しました。エリー・ミラー巡査部長役のオリヴィア・コールマンが主演女優賞、デヴィッド・ブラッドリーが助演男優賞に輝いています。さらにシリーズ3も、2018年のナショナル・テレビジョン・アワードで犯罪ドラマ賞を受賞しました。
続編を支えた主演ふたりと、人物描写の深さ
アレック・ハーディ役のデヴィッド・テナントと、オリヴィア・コールマンの演技は、特に高く評価されました。クリス・チブナルは、ふたりが続投しなければシリーズ2を制作しなかったと語っており、主演ふたりの存在が続編の実現を支えていました。
少年の死をきっかけに、家族の悲しみ、住民同士の疑い、報道が町に及ぼす影響まで描く点も、この作品の特徴です。全3シリーズを通じて人物描写が評価されていることからも、謎解きに加えて、人々の心情を丁寧に掘り下げる作風が魅力につながっていると感じます。
製作体制と原作 ― クリス・チブナルの書き下ろしと、海辺の町を生かす撮影
『ブロードチャーチ 殺意の町』は、事件の謎とともに、身近な人を疑う苦しさや、悲しみに包まれた町の姿を描く作品です。企画の出発点や撮影の工夫を知ると、住民たちの表情にも海岸の風景にも、製作陣が込めた狙いが見えてきます。
監督・脚本家
企画・脚本の中心を担ったのは、クリス・チブナルです。『トーチウッド』『ロー&オーダー:UK』『キャメロット』などに携わってきた脚本家で、本作では製作総指揮も兼任しています。構想を抱いたのは2003年ごろで、2011年5月にはホワイトボードを使い、登場人物の背景や物語の組み立てを具体化していきました。
シリーズ1の監督は、ジェームズ・ストロングが5話分、ユーロス・リンが3話分を担当しました。ストロングは脚本を練る段階でもチブナルを支え、第1話の演出で英国アカデミー賞のテレビ・クラフト部門の監督賞候補にもなっています。撮影では最初のテイクに生まれる自然な反応を重視し、シリーズ1にはファーストテイクが多く採用されました。
映像の質感を支えたのは、撮影監督とカメラ操作を兼任したマット・グレイです。ドキュメンタリー映画のような姿勢で撮影に臨みました。俳優が演技する場所を撮影開始まで見られないこともあり、リハーサルを最小限にする方法とともに、生々しい緊張感を引き出そうとしました。
完全オリジナル脚本
『ブロードチャーチ 殺意の町』は、小説を原作としない完全オリジナル脚本で、脚本家のクリス・チブナルによる書き下ろしです。出発点にあったのは、子どもの殺害が結びつきの強い小さな共同体に何をもたらすのか、という問いでした。遺族の悲しみだけでなく、住民同士の疑念や報道の注目によって、人々がどう変わるのかを描こうとしています。
チブナルは当初から三部作を構想しながら、続編が実現しなくても成立するように、シリーズ1を単独で完結する物語として組み立てました。また、撮影前にすべての脚本を固めず、俳優たちの演技を見てから後の脚本を書き進めています。配役が決まってから生まれた人物の個性も、物語に取り込む作り方です。
エリン・ケリーによる小説版もありますが、こちらはドラマをもとにした小説化作品です。小説から映像へという順序ではなく、チブナルが生み出したドラマから書籍へと広がりました。
出品・制作体制
制作はKudosが中心となり、Shine AmericaとImaginary Friendsが参加しました。Imaginary Friendsは、書き手を中心に据えたドラマを制作するためにチブナルが設立した会社です。製作総指揮にはチブナルとジェーン・フェザーストーン、シリーズ1のプロデューサーにはリチャード・ストークスが名を連ねています。
資金面では、放送局のITVによる出資に加え、多数の出演者を抱える制作を支えるため、撮影開始前にドイツの公共放送ZDFとBBCアメリカも資金を提供しました。海外の放送事業者も参加する体制で、制作費を確保しています。
シリーズ1の主要撮影は2012年8月13日に始まり、同年12月4日に終了しました。スタジオ撮影から入り、9月第1週にロケ撮影を開始しています。ロケの中心はサマセット州のクリーヴドンで、ドーセット州のブリッドポートやウェスト・ベイでも撮影されました。印象的な崖と海岸には、ウェスト・ベイの風景が使われています。現地での撮影を重ねたのは、物語に現実感と身近さを与え、ドーセットの海岸が持つ雰囲気を生かすためでした。
シリーズ2は2014年5月下旬に撮影を開始し、同年10月12日の夜に終了しました。シリーズ3の撮影は2016年5月に始まっています。
OST ― 《So Close》から続く3つのEDと、弦楽・ピアノ・電子音の劇伴
『ブロードチャーチ 殺意の町』の音楽を手がけるのは、アイスランドの作曲家・音楽家、オーラヴル・アルナルズです。シリーズ1の劇伴では、弦楽四重奏とピアノに電子音を組み合わせ、登場人物や場所に合わせた音楽を作っています。
ED(エンディングテーマ)
シリーズ1のEDは、オーラヴル・アルナルズによる《So Close》です。歌うのは、アイスランドのバンド、エージェント・フレスコのボーカリスト、アルノール・ダンです。各話の終わりに流れるこの曲では、アルノール・ダンが歌のメロディーも手がけ、脚本家のクリス・チブナルが作詞を担当しています。
シリーズ2のEDは《So Far》、シリーズ3のEDは《Take My Leave of You》です。こちらもオーラヴル・アルナルズの楽曲で、歌唱はどちらもアルノール・ダンが担当しています。
サウンドトラックの構成
2013年発売のサウンドトラックEPは全4曲で、歌詞のある楽曲は《So Close》の1曲です。2015年にはシリーズ1・2の楽曲を収めた版が、2017年にはシリーズ3のサウンドトラックが発売されています。
結末解説【ネタバレ注意】― 第24話で明かされる犯行と、ラティマー夫妻の別れ
※この章はドラマ最終話の核心的な結末に触れています。本編未視聴の方は十分ご注意ください。
最終話のクライマックス
第24話では、トリッシュ・ウィンターマンへの性暴力事件の全容が明らかになります。現場の証拠となる靴下からクライヴ・ルーカスのDNAが検出され、警察は彼を逮捕します。しかし、防犯カメラには、血の付いたひもの入った袋を店の外に捨てるレオ・ハンフリーズが映っていました。さらにクライヴは、パーティーの後に継息子のマイケルとレオを車で送ったことを認めます。
トリッシュを襲ったのはマイケルで、その犯行を主導したのはレオです。回想では、レオがマイケルに近づき、酒やポルノを与えて関係を深めていた経緯が描かれます。事件当夜、レオはトリッシュの頭を殴り、マイケルに性的暴行を強要しました。逮捕されたマイケルは、取り調べでその事実を涙ながらに認めます。
警察はレオの家に隠された携帯電話から、トリッシュへの犯行映像に加え、レオがほかの女性たちに性的暴行を加える映像も発見します。レオは被害を軽く扱う言葉を口にし、反省を示さず犯行を認めます。マイケルの供述と映像によって、トリッシュの事件と、レオによる複数の犯行が結びつきます。
主要キャラの決着
アレック・ハーディとエリー・ミラー巡査部長は、捜査を通じて犯行の真相にたどり着きます。レオの言動に動揺するエリー・ミラー巡査部長を、アレック・ハーディが支えます。最後は二人で事件を振り返り、翌日も職場で会うことを確かめて別れます。二人の関係は、共に捜査に当たる同僚として、その先へ続いていきます。
ベス・ラティマーとマーク・ラティマーは、夫婦の問題について話し合いますが、関係を修復するには至りません。マーク・ラティマーは家族に別れを告げ、一人で車を走らせて町を去ります。一方、ベス・ラティマーには、エリー・ミラー巡査部長やその子どもたちと過ごす場面が描かれます。二人の結末は、夫婦として再出発する形ではなく、別々の道へ進む形になります。
トリッシュ・ウィンターマンは、第23話で友人のキャスと和解し、最終話では別居中の夫イアンとの関係にも歩み寄りが描かれます。事件の真相が明らかになることと並んで、身近な人とのつながりを取り戻していく様子が示されます。
ジョー・ミラーと町の人々のその後
ダニー・ラティマーの殺害を自白したジョー・ミラーは、第16話の裁判では無罪判決を受けています。第22話では、リヴァプールで警備員として働く彼をマーク・ラティマーが訪ね、息子の最期について問いただします。しかし、マーク・ラティマーはジョー・ミラーを傷つけずに別れます。この対面を経ても夫婦の問題は残り、最終話での家族との別れへつながります。
ポール・コーツ牧師は、町の人々が集まる最後の説教を行い、町を離れることを決めます。マギー・ラドクリフは新聞社を辞め、動画ブログでの活動へ進みます。長く物語を支えてきた人々にも、それぞれの仕事や暮らしの転機が訪れます。
翌日の仕事を約束するラストの意味
「ブロードチャーチ 殺意の町」は、最終事件の犯行を明らかにしたうえで、人々の生活が続くところで幕を閉じます。私には、ベス・ラティマーとマーク・ラティマーが別々の道を選ぶ場面と、刑事二人が翌日の仕事を確かめる場面の並びが心に残ります。事件に決着がついても、家族の関係まで元に戻るわけではありません。その結末を受け止める時間を残して、最後は二人の刑事の、ごく日常的な別れの挨拶で終わります。
基本情報
| タイトル | ブロードチャーチ 殺意の町(Broadchurch) |
|---|---|
| 英語タイトル | Broadchurch |
| 放送局 | ITV(英国) |
| 放送年 | 2013年3月4日~2017年4月17日(英国) |
| 話数 | 全24話(全3シリーズ) |
| ジャンル | 英国ミステリー・犯罪ドラマ |
| 演出 | ジェームズ・ストロング、ユーロス・リン(シリーズ1) |
| 脚本 | クリス・チブナル、ルイーズ・フォックス |
| 主な出演 | デヴィッド・テナント(アレック・ハーディ警部補) オリヴィア・コールマン(エリー・ミラー巡査部長) アンドリュー・バカン(マーク・ラティマー) ジョディ・ウィテカー(ベス・ラティマー) シャーロット・ボーモント(クロエ・ラティマー) オスカー・マクナマーラ(ダニー・ラティマー) マシュー・グラヴェル(ジョー・ミラー) アダム・ウィルソン(トム・ミラー) キャロリン・ピクルズ(マギー・ラドクリフ) ジョナサン・ベイリー(オリー・スティーヴンス) アーサー・ダーヴィル(ポール・コーツ牧師) |
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