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クルミットです♪
木の上に首を吊った状態の遺体があるのに、耕された地面には足跡がひとつも残っていません。
おまけに畑には巨大なミステリーサークルや奇妙な足跡、内臓を抜かれた牛まで現れます。
19世紀末のカナダで、まさか本当に火星人が攻めてきたのでしょうか?
突拍子もない怪奇現象に頭を抱えるマードック刑事たちですが、怪しい影の正体は思いもよらない場所へとつながっていました。
不可解な事件の裏にある、人間の愚かさと切なさが胸に残るお話です。
それでは13話を一緒に見ていきましょう!
刑事マードックの捜査ファイル シーズン1「火星からの陰謀」 のあらすじ
のどかな谷あいの町ルージュ・バレーで、木工職人ガストンの遺体が発見されます。
現場はきれいに耕されたばかりの畑の中央に立つ、とても高い木でした。
ガストンはその高い枝の上で首を吊ったような状態で見つかったのです。
現場に駆けつけたウィリアム・マードック刑事とジョージ・クラブツリー巡査は、周囲の地面をくまなく調べます。
しかし、柔らかい土の上には誰の足跡も残っていませんでした。
梯子を使った跡もなければ、人が歩いて木に近づいた痕跡すらありません。
地面が耕されたばかりなのに足跡ゼロだなんて、どうやって木の上に運んだのってゾッとしました。
いったいどうやって遺体をあの高さまで運んだのでしょうか?
マードックは手がかりを求めてガストンの工房を捜索します。
部屋の中には精密な天体図や奇妙な観測記録が壁一面に残されていました。
ガストンは熱心な天文愛好家で、火星には生命が存在すると本気で信じていたのです。
日記をめくると、自分が火星人につけ回されているという怯えの記録まで記されていました。
これを見たクラブツリーは、宇宙人の仕業ではないかと本気で疑い始めます。
当時のヴィクトリア朝時代は、望遠鏡の発達で火星への関心が急速に高まっていた時期でした。
人々が夜空の星に未知の生命を想像した時代背景も手伝って、ジョージの妄想はどんどん膨らんでいきます。
一方、現場近くのトウモロコシ畑では信じられない光景が広がっていました。
茎がなぎ倒されて、巨大な5つの円を描くミステリーサークルが出現していたのです。
さらに近くの地面からは、人間の足とは思えない奇妙な3本指の足跡まで見つかりました。
これだけでは終わりません。
なんと近くで、内臓をきれいに抜き取られた牛の死骸まで発見されたのです。
超常現象の証拠がこれでもかと揃い、クラブツリーは火星人の襲来を確信していきます。
内臓を抜かれた牛にミステリーサークルまで出てきたら、ジョージじゃなくても宇宙人を疑っちゃいますよね。
でも、マードックは超常現象の影に隠れた現実的な動機を見逃しません。
実はガストン、土地を買い叩こうとする開発業者から激しい売却の圧力を受けていたのです。
ガストンは最後まで土地を手放すことを頑なに拒否していました。
開発に絡む怨恨や金銭トラブルなら、人間による立派な殺人動機になります。
マードックは宇宙人ではなく、生身の人間による犯行だと睨んで捜査を進めました。
ところが混迷を深める中、なんと2人目の犠牲者まで出てしまいます。
捜査線上に浮上したのは、近くで怪しい動きを見せていた兄弟でした。
そしてマードックの前に、カナダ政府のエージェントであるテレンス・マイヤーズという冷酷な男が立ちふさがります。
マイヤーズは強引に捜査へ割り込み、あからさまに真実を隠蔽しようと圧力をかけてきました。
実はあの兄弟も、家族を装って秘密の兵器実験を進めていた政府の潜入工作員だったのです。
事件現場となった場所は「第51特区」と呼ばれる地域でした。
政府はこの人里離れた土地で、極秘裏に軍事技術の開発実験を行っていたのです。
マイヤーズのあの冷たい態度、上から目線で捜査を邪魔してくる姿には本気でイラッとさせられました!
マードックはついに、森の奥に隠された秘密の軍事施設へとたどり着きます。
そこで目にしたのは、夜空をひそかに飛ぶための巨大な軍用飛行船でした。
すべての謎が一気につながります。
畑に足跡が残っていなかったのも、遺体が高い木の上にあったのも、すべて空から落ちたからだったのです。
3本指の奇妙な足跡や畑の丸い跡も、飛行船の着陸装置が地面に残した痕跡にすぎませんでした。
牛の解剖も、空を飛ぶための何らかの実験材料として軍が処理したもので、宇宙人の仕業ではありません。
そして、ガストンが命を落とした真相はあまりにも悲しい誤解でした。
火星人を恐れて夜な夜な空を観察していたガストンの不審な行動を、政府のエージェントたちが警戒したのです。
彼らはフランス系カナダ人であるガストンを、軍事機密を狙うフランスのスパイだと完全に勘違いしました。
そこで尋問しようと、飛行船に乗せて上空へと連行したのです。
しかし、ガストンの視点から見ればどうだったでしょうか?
暗闇の中で空飛ぶ巨大な乗り物に引きずり込まれたのです。
ガストンは「ついに火星人にさらわれた!」と激しい恐怖に襲われ、完全にパニックに陥ってしまいました。
取り乱した彼は飛行船から自ら飛び降りてしまい、下の木に激突して命を落としたのです。
スパイと宇宙人だなんて、お互いの思い込みのせいで命を落とすなんてやりきれないです。
政府の非情な実験を暴いたマードックは、急いでトーマス・ブラッケンリード警部やジュリア・オグデンを現場に連れてきます。
しかし、彼らが戻ったときには、そこにあったはずの秘密基地も飛行船も綺麗さっぱり消え去っていました。
政府の工作員たちは、証拠を何ひとつ残さずに撤収してしまったのです。
「本当にここにあったんだ!」と必死に訴えるマードックとクラブツリー。
呆れ顔のブラッケンリード警部を前に、マードックたちは悔しさを噛みしめるしかありませんでした。
事件後、彼らはこんな大都市トロントの近郊よりも、アメリカ西部の砂漠地帯のような人気のない場所のほうが秘密の実験場には向いているのではないかと静かに語り合います。
刑事マードックの捜査ファイル シーズン1「火星からの陰謀」 の感想まとめ
ガストンの死の真相を知った瞬間、あまりの切なさに言葉を失いました。
政府の人間は相手をスパイだと疑い、ガストンは相手を火星人だと信じ込んでパニックになって飛び降りてしまうなんて。
言葉が通じないわけではないのに、お互いの強い思い込みが最悪の結末を招いてしまいました。
ただ空が好きで、星を見上げていただけの職人さんだったのに。
冷酷な国家の秘密主義に巻き込まれて命を奪われたガストンが、本当に不憫でたまりません。
それにしても、政府のエージェントのマイヤーズには最初から最後まで腹が立ちました!
真実を突き止めようとする警察を平然と見下して、平気な顔で隠蔽工作を指示する態度は本当に冷淡でした。
人の命が失われているのに、国の安全保障のためなら個人の犠牲なんて何とも思っていません。
あの傲慢な振る舞いは、見ていて本当に胸くそが悪くなりました。
国家の秘密という大きな壁の前では、マードックの正義感さえ簡単にかき消されてしまうのが悔しかったです。
一方で、ジョージの純粋さには思わずクスッと笑ってしまいました。
ミステリーサークルや牛の死骸を見て、目を輝かせながら宇宙人説を熱弁する姿がいかにも彼らしかったです。
まだ飛行機も一般的ではない時代ですから、空飛ぶ乗り物なんて想像もつかないのは当然かもしれません。
当時の人々にとって、空の向こうの火星人は今の私たちが思う以上に身近で怖い存在だったのでしょうね。
現代の有名な未確認飛行物体騒動や秘密基地の噂話を、19世紀末の技術と絡めて見せる構成は見事でした。
マードックが科学的な視点でひとつずつ怪奇現象を紐解いていく過程は、とてもワクワクしました。
何より切なかったのは、最後に秘密基地が跡形もなく消えていた場面です。
ジュリアやブラッケンリード警部を連れて息を切らして戻ってきたのに、そこにはただの空き地しか残っていませんでした。
必死に「本当にあったんです!」と説明するマードックとジョージの姿が、少し情けなくて愛おしかったです。
権力によって闇に葬られた事件でしたが、マードックの鋭い観察力と科学の目が、怪物の正体を暴いてくれたことには救われました。
空を見上げるクラブツリーの横で、苦々しい表情を浮かべながら静かに佇むマードックの横顔がとても印象に残っています。
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