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クルミットです♪
解剖直前の遺体が目を開けた。第3話『生きる屍』は、記憶を失った被害者を自宅に匿いながら、アレクサンドラが身元と犯人を追う回です。結末まで触れますので、ご注意ください。
それでは3話を一緒に見ていきましょう!
※ここからは結末までのネタバレを含みます。
マダム・エール 第3話「生きる屍」のあらすじ
ボルドー近郊ブリュージュの沼地で、頭を殴られた女性の遺体が見つかる。身元を示すものはなく、アレクサンドラは調べを急ぐため遺体を法医学研究所へ運ばせる。ところが解剖台の上で女性が目を開けた。強い衝撃で体温や脈が極端に落ち、仮死状態に陥っていたのだ。
事件はすぐ片づくかに見えたが、女性はすべての記憶を失っていた。犯人が再び襲うことを恐れたアレクサンドラは、生存を警察にも兄のアントワーヌにも伝えず、女性を死んだことにして自宅へ匿い、身元探しを独自に始める。行方不明の妹を捜す男性が遺体の確認に訪れた後も、女性は遺体の役を続けることになる。
生きている本人に遺体役を続けさせるのは、かなり危うい賭けです。それでも守ることを優先して踏み込むところが、アレクサンドラらしい捜査だと思いました。
同じ沼地では、別の女性の他殺体も発見される。先の現場から数メートルほどの近さで、ほぼ同じ頃に殺されたらしい。アレクサンドラは、この女性こそ犯人の本当の標的だったのではないかと推理する。
やがて、生き返った女性は服飾デザイナーのナタリーで、恋人のオリヴィエと同居していると分かる。もう一人の遺体はブランシュという恋多き女性で、ナタリーの恋人と結婚するつもりだったと言われていた。
ブランシュの兄は昔から妹に執着し、暴力も振るっていたという。ナタリーの恋人か兄のどちらかが犯人ではと推測される中、記憶のないナタリー自身は、ブランシュを殺したのは自分ではないかと怯える。
襲われた側のナタリーが、自分こそ加害者かもしれないと怯える。記憶がないという設定が、容疑の向きまで揺らしている点が面白いところです。
真相はこうだった。ブランシュはオリヴィエに一方的に好意を寄せていただけで、恋敵のナタリーを沼地に呼び出して殺害を図った。ナタリーは仮死状態になっただけで、死んではいなかった。ブランシュの凶行を知ったオリヴィエが、同じ沼地で怒りに任せて彼女を殺していた。
結婚するつもりだったという話と、一方的な好意だったという真相のずれが、ブランシュという人物の哀しさを際立たせています。
マダム・エール 第3話「生きる屍」の感想まとめ
今回いちばん印象に残ったのは、アレクサンドラが被害者の生存を伏せるという選択です。解剖の直前に息を吹き返した女性には記憶がなく、犯人が再び来るかもしれない。そこで警察にも兄にも知らせず、自宅に匿って身元を探す。手続きを外れた判断ですが、被害者を守ることを最優先にした筋は通っています。遺体を確認に来た男性の前でも遺体役を続けさせる徹底ぶりに、研究所の外へ飛び出して動く彼女らしさが出ていました。
謎の組み立ても面白かったです。数メートルしか離れていない場所に二つの被害があり、しかも最初の被害者は生きている。第二の遺体の女性を本当の標的と見るアレクサンドラの推理は、現場の近さから出てくる自然な読みです。そこへ兄とオリヴィエという容疑者の候補が並び、さらに記憶のないナタリー自身が加害を疑う。誰が被害者で誰が加害者なのかが入れ替わっていく作りでした。
個人的には、結婚を望んでいたと語られたブランシュの実像が、一方的な好意だったと分かる流れが苦かったです。ナタリーが自分を疑うくだりと合わせて、人物の見え方が後半でがらりと変わる回でした。
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