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クルミットです♪
今回は、刑事コロンボ第30話、シーズン5第1話「忘れられたスター」です。
もう一度、華やかな舞台に立ちたい。そんな夢を抱く元スターが、資金を出してくれない夫を殺してしまいます。
自宅で昔の出演映画を見ていたという妻。コロンボが調べていくと、そのアリバイにも、妻の様子にも気になるところが出てきました。
夫の死の真相が分かっても、すっきりとは終われない今回。最後に映画を見つめる妻の姿が、なかなか頭から離れません。
それでは30話を一緒に見ていきましょう!
刑事コロンボ シーズン5第1話「忘れられたスター」のあらすじ
かつて歌と踊りで人気を集めた女優は、昔の映画を見て、舞台への復帰に気持ちを膨らませます。
長年一緒に歌い踊ってきた相棒に演出を任せ、自分が主役のショーを開くつもりでした。必要な資金は50万ドルです。
しかし、医師である夫は出資を断ります。家の財産を管理している夫が認めなければ、計画を進められません。
妻は復帰への思いを募らせますが、夫の返事は変わらないままでした。
もう一度舞台に立ちたい気持ちは分かります。でも、お金を出してもらえない怒りが夫に向かっていくのは、見ていて嫌な気分になりました。
自宅には、昔の出演映画を楽しめる上映室がありました。フィルムを映写機にかけて見る、妻のための映画館のような部屋です。
妻が見ているのは、若いころの自分が歌い踊るお気に入りの作品。執事は、妻が上映中ずっとこの部屋にいたと信じています。
ところが妻は、その時間を使って夫を殺していました。
夫の飲み物に睡眠薬を余分に入れ、車に保管されていた拳銃を持ち出します。そして寝室へ入り、眠っている夫の頭を撃ったのです。
銃を夫の手に持たせ、寝室の扉には鍵をかけます。自分は木を伝って外へ下り、家に入り直しました。
ベッドには、拳銃を持った夫の遺体。扉が施錠されていたこともあり、夫が自殺したように見える状況だったのです。
眠っている夫を撃つなんて、ひどすぎませんか?復帰を止められたからといって、ここまでしていい理由にはなりません。
事件を調べるコロンボは、自殺という見方にすぐには納得しません。気になったのは、夫のスリッパでした。
拳銃を取りに車のある場所まで出たのなら、足元に汚れがついてもよさそうです。しかし、スリッパはきれいなままでした。
夫が寝る前に読んでいた本にも、気になる点があります。それは、笑って楽しむような小説だったのです。
夫には、読み終えたページの端を折っておく習慣もありました。ところが、その晩の本にはいつもの折り目がありません。
一つだけなら見過ごしそうなことを、コロンボは確かめていきます。夫が自分で銃を持ち出したという話が、少しずつ怪しくなってきました。
スリッパだけでなく、本の読み方まで気にするんですね。夫がいつもしていたことを拾ってくれるのは、ありがたいです!
一方、妻は復帰に向けた稽古を続けています。しかし、踊りの振り付けを忘れ、思うように進められません。
妻は一緒に踊る相手との相性を問題にし、相手を替えてほしいと相棒に求めます。自分が振り付けを覚えられないことには、なかなか向き合えない様子でした。
相手を替えてほしいと言われるダンサーも気の毒です。うまく踊れなくて焦るのは分かるけれど、その怒りをぶつけられても困りますよね。
妻の物忘れは、稽古の場だけではありません。
コロンボの名前を何度も忘れ、歌のレッスンがある金曜日だということにも戸惑います。車の中で執事に伝えた指示を、繰り返すこともありました。
夫の死を話題にされたときには、初めて聞いたような反応まで見せます。
自殺を装った本人なのに、その驚き方には不自然なものがありました。コロンボは事件とともに、妻の状態にも目を向けていきます。
そのころ、コロンボ自身にも困った用件が持ち上がっていました。警官に必要な射撃の技能確認を、10年も受けていなかったのです。
普段から拳銃を持ち歩かないコロンボは、試験を促されても逃げ回っています。
犬と一緒にアイスクリームを食べているところへ、ついに内部監察の担当者がやってきました。24時間以内に射撃場へ行かなければ、警察バッジを取り上げるという通告です。
そこでコロンボは、知り合いの警官にバッジを貸し、代わりに試験を受けてほしいと頼みます。自分では的に当てられないというのです。
そこまでして試験を避けますか?事件ではあんなに粘り強いのに、自分の射撃となると逃げ腰なのが可笑しかったです。
捜査を進めたコロンボが注目したのは、妻が映画を見ていた時間でした。
映画そのものの上映時間と、妻が見終えるまでにかかった時間が合いません。途中でフィルムが切れ、それを直すために使った数分を足しても、まだ余分な時間が残ります。
執事は、妻がずっと上映室にいたと考えていました。しかし、この時間のずれは、その説明では埋まらないものでした。
コロンボは、妻が上映室を離れていた間に夫を殺したと突き止めます。お気に入りの映画を見ていたというアリバイが、上映にかかった時間から崩れたのです。
フィルムを直す時間まで入れて確かめるところは、さすがコロンボ!妻を信じていた執事のことを思うと、そこもつらくなります。
ところが、妻について分かったことは、犯行だけではありませんでした。
妻は脳の病気を患い、記憶を失いつつあったのです。残された命は、長くてもあと2か月ほどでした。
夫が舞台への復帰にお金を出さなかったのも、この病気が理由でした。出演による体の負担が、妻の命を奪いかねなかったのです。
夫は病気のことを妻にも周囲にも伏せ、妻を世界旅行へ連れていこうとしていました。残りの時間を、できるだけ穏やかに過ごさせるつもりだったのでした。
夫は妻の体を守ろうとしていたんですね。それなのに、眠っている間に殺されてしまった。あの出資を断る場面を思い返すと、夫が気の毒でたまりません。
コロンボは、妻が夫を殺したことさえ覚えていないと見ています。自分で自殺に見せかけたのに、今は本当に夫が自殺したと信じているというのです。
名前や曜日だけでなく、夫を失ったことへの反応まで、病気と結びついていきました。
最後にコロンボは、タキシード姿で屋敷を訪れます。そして上映室で、長年の相棒に事件の真相と妻の病状を伝えました。
相棒は、ずっと妻を愛してきた人でした。彼女に残された時間がわずかだと知り、その最期を守ろうとします。
コロンボには、妻を逮捕する意思がありました。病気だからと、そのまま事件を終わらせるつもりではありません。
そこで相棒は、自分が夫を殺したと名乗り出ます。妻をかばうための、偽りの自白でした。
その告白を聞いた妻は、一時ひどく取り乱します。しかし、やがて告白そのものを忘れ、再びお気に入りの映画に見入ってしまいます。
自分を守るための告白まで忘れてしまうのが、つらかったです。相棒はそれでも、妻をかばうことを選ぶんですね。
相棒の自白には、崩せるところがあります。コロンボにも、それは分かっていました。
ただ、彼への疑いが晴れるまで時間がかかれば、妻はその間を自宅で過ごせます。調べ直しているうちに妻の命が尽きることを、二人とも分かっていたのです。
コロンボは相棒を逮捕します。真犯人である妻は、上映室に残されました。
映画の中では、若いころの妻が歌い踊っています。妻はその姿に見入ったまま、相棒が身代わりになったことも覚えていません。
コロンボは、上映室へ入ろうとするように何度か体を向けかけます。それでも中へは戻らず、相棒のあとを追って屋敷を出ていきました。
刑事コロンボ シーズン5第1話「忘れられたスター」の感想まとめ
最後に何度も上映室へ体を向けかけるコロンボが、いちばん心に残りました。
中には、映画を見ている妻がいます。夫を殺した人だと分かっているのに、もう犯行を覚えていない。その人を残して出ていくコロンボを見ているのが、きつかったです。
最初は、復帰を止められたから夫を殺すなんて、勝手すぎると思いました。稽古で相手のダンサーを替えたがるところにも、少しイライラしたんです。
病気を知ってからは、振り付けや曜日を忘れていた場面を思い出しました。本人が分からないまま失っているものが多くて、怒っていた気持ちがしぼんでしまいました。
それでも、夫のことは忘れたくありません。
妻の命を心配して復帰を止め、旅行に連れていこうとしていた人です。妻をかばう相棒の行動に胸が詰まるほど、亡くなった夫が置き去りになるようで寂しかった。
相棒も、自白すれば自分が連れていかれると承知しています。妻がその告白を忘れてしまっても、守ろうとしたことを引っ込めないんです。
せめて家で、好きな映画を見て過ごしてほしい。その気持ちは分かるので、逮捕されていく相棒を責める気持ちにもなれませんでした。
射撃試験から逃げるコロンボには笑ったのに、最後はずいぶん静かな気持ちになりました。
相棒が連れていかれる間も、若い自分の映画に見入っている妻の姿が、ただ切なかったです。
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