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クルミットです♪
今回は、三人の女性と暮らす画家の身勝手さに、じわじわ腹が立つお話です。自分を取り合ってくれるのがうれしいなんて、一緒に暮らすほうは疲れてしまいますね。
その生活を離れようとした元妻には、画家の過去にかかわる秘密がありました。やっと別の幸せに手を伸ばした人が狙われるのは、見ていてつらいところ。
そして捜査を進めるコロンボは、画家の前で肖像画のモデルを務めることに。絵を描いてもらいながらも、小さな不審点を見逃しません。
それでは48話を一緒に見ていきましょう!
刑事コロンボ シーズン9第1話「殺意のキャンバス」のあらすじ
冒頭のコロンボは、愛犬を連れてバセットハウンドの集まりに参加しています。周りにも同じ犬種の犬たちがいて、事件の捜査中とは違う、のんびりした時間です。
ところが、愛情深い犬だと褒めていたところで、その愛犬に手をかまれてしまいました。これまでになかった反応に、コロンボも戸惑います。
ちょうど褒めていたところなのに! コロンボと犬の間にも、こんな気まずい瞬間があるんですね。
一方、海辺の豪邸では、有名な画家が三人の女性と暮らしていました。元妻と現在の妻、それに若いモデルという、ずいぶん込み入った関係です。
元妻は食事などの世話をし、現在の妻は仕事の面を支え、モデルは恋人でもあります。画家はそれぞれの存在を、自分の生活に必要なものとして扱っていました。
女性たちが自分の気を引こうと張り合うことも、画家にとっては愉快なこと。間に入って気遣うより、その争いを楽しんでいます。
別れた奥さんまで、まだ自分のものだと思っているんですか? 女性たちの気持ちより、自分の居心地ばかりで嫌になります。
しかし、元妻はこの暮らしから離れようとしていました。心の問題を相談していた医師と婚約し、彼と一緒に住むつもりだと画家に伝えます。
画家にとって困るのは、身の回りの世話をしてくれる人がいなくなることだけではありません。元妻は、彼が昔起こした殺人を知っていたのでした。
画家はかつて、自分のお金を盗んでいた最初の画商を殺しています。元妻との口論では、その過去に触れるような話も出てきました。
彼女が医師に秘密を打ち明けるかもしれない。その恐れから、画家は元妻の口を封じようとします。
新しく好きな人ができて、ようやく家を出られるところだったのに。自分の犯した罪のために、元妻の人生まで奪おうとするのが腹立たしいです。
画家は、絵の具を薄める溶剤を含ませた布を元妻の顔に押し当て、意識を失わせます。そして海で溺死させ、泳いでいる途中の事故に見せかけるのでした。
その間、自分は酒場の上階で絵を描いていたことにします。海で起きた出来事とは無関係だと示すためのアリバイだった。
しかし、捜査に来たコロンボは、元妻のコンタクトレンズに引っかかります。彼女が着けていたのは片方だけで、もう片方はケースに残っていました。
泳ぎに出かけたのなら、なぜ片方だけ着けていたのか? 事故として片づけるには、気になる状態です。
コンタクトが片方だけ、というところから立ち止まるコロンボ。画家が用意した話をそのまま受け取らないので、少しほっとしました。
コロンボは画家の周辺を調べながら、本人に肖像画を描いてもらうことになります。画家は、あの人のよさそうな顔の奥にある、暗い内面まで描き出そうとするのでした。
モデルとして座っている間にも、コロンボの質問は続きます。絵を描く画家と、その前にいる刑事の間で、元妻の死についての会話が重ねられていきました。
医師への聞き取りでは、冒頭の犬の話も出てきます。ほかの犬に囲まれたことで、愛犬が嫉妬したのではないかと医師は考えます。
寝椅子に横たわる医師と話すコロンボの様子は、捜査の途中なのに、どこか相談の時間のようでもありました。
犬にかまれたことまで相談しているのが、コロンボらしくて好き! 事件の話ばかりではない、このやり取りにちょっと気が緩みます。
そして医師は、元妻が語った悪夢の録音をコロンボに渡します。元妻の声に重なって、奇妙な夢の場面が白黒で映し出されます。
夢には、フランスのおじや割れた器などが登場します。そのまま聞いても意味がつかみにくく、ひとつの出来事を順番に説明した話にはなっていません。
コロンボは、言葉の音や夢に出てくる物を手がかりに、片眼鏡とのつながりを探っていきます。片眼鏡とは、片目の前に当てて使う小さな眼鏡のこと。
酒場の古い写真には、若いころの画家と元妻、そして片眼鏡をかけた最初の画商が写っていました。元妻の悪夢と、画家が隠してきた過去が結びついていきます。
肖像画を描いてもらっている最中にも、コロンボは録音を聞かせます。画家にとっては、自分が描く側だからといって、落ち着いていられる時間ではありません。
亡くなった元妻の声が残っていたのは、せめてもの救いでした。夢の話までコロンボが聞いてくれてよかったです。
一方、元妻がいなくなった家では、現在の妻とモデルの争いが激しくなります。二人とも相手を追い出そうとして、画家の望む暮らしはうまく続きません。
画家は、元妻のためにも仲よくするよう二人に求めます。自分が彼女を殺しておきながら、その名前を持ち出して関係を取り繕おうとするのでした。
ところが、二人が落ち着いて話をするうちに、様子が変わっていきます。モデルが親を亡くした身の上を話すと、現在の妻も、自分の生みの親と育ての親を失った経験を打ち明けます。
そこでモデルは、相手のつらさに同情します。張り合っていた二人の間に、相手を思いやる気持ちが生まれました。
そして二人は、画家の気を引くために争い続けることをやめます。お互いに、彼のもとを離れていいと思えるようになったのです。
ここはうれしかった! 相手を追い出すことばかり考えていた二人が、ちゃんと相手の話を聞いている。そのまま二人とも家を出てほしくなりました。
現在の妻は、画家の身勝手さを責めて去っていきます。自分ばかり満たされ、周りの女性には我慢をさせてきたことを、はっきり突きつけるのでした。
画家は今度はモデルを引き留めようとしますが、彼女も言いなりにはなりません。耳元で思っていることをささやくと、画家は腹を立てて彼女を追い出します。
自分のために仲よくするよう求めた結果、二人とも彼から離れてしまいました。
捜査のほうでは、絵を描いていた部屋の床が問題になります。画家の普段の作業場には絵の具が飛び散っているのに、アリバイに使った酒場の上階には、一滴も落ちていません。
しかも、その部屋には水道もありません。何時間もそこで制作していたという説明を、コロンボはこうした点から崩していきます。
絵の具が落ちていない床まで確かめていたんですね! 肖像画の前で話している間も、コロンボは画家の仕事ぶりをよく見ていたんだなと思いました。
そして決め手になるのは、元妻の顔に残っていた汚れでした。流れた化粧の跡のように見えたものは、画家のためだけに特別に調合された赤い絵の具だったのです。
その赤は、元妻の意識を失わせるために使った布に付いていたものでした。顔に残った絵の具が、画家と犯行をつないでしまいます。
海での事故に見せかけた死も、絵を描いていたというアリバイも、これでは通りません。元妻が秘密を話すのを恐れて起こした殺人を、コロンボに突き止められてしまうのでした。
最後には、コロンボの肖像画も明らかになります。画家が暴こうとしていた暗い内面とは違い、そこには明るく、人のよさそうなコロンボがいました。
いつものコロンボの顔で、ほっとした! あんなふうに内面を探ろうとしていた画家が、結局この顔を描いたのが、なんだかおかしいです。
刑事コロンボ シーズン9第1話「殺意のキャンバス」の感想まとめ
いちばん心に残ったのは、現在の妻とモデルが互いの身の上を話す場面でした。それまで相手を追い出そうとしていた二人が、相手のつらさを知って、争うのをやめていくのがよかったです。
画家を取り合っている間は、二人ともずっと不満そうでした。相手の話を聞けるようになってから、二人で彼のもとを離れるほうへ進んだのがうれしい!
ただ、その輪の中に元妻がいないことは寂しいです。彼女は先に、自分の意思で別の生活を選ぼうとしていた人だった。
医師と一緒に暮らすと伝えただけで、過去の秘密を話すかもしれないと命を奪われる。画家の都合で、そこまでされる筋合いはありません。
元妻の死後に、画家が彼女のためにも仲よくしてほしいと持ちかけるところも嫌でした。残った二人の関係を整えるためにまで、元妻を使わないでほしいです。
コロンボの捜査では、絵の具の落ちていない床が好きでした。普段は汚れる人の作業場所が、そこだけきれいだった。その違いを、ちゃんと覚えていたんですよね。
顔の汚れが、画家専用の赤い絵の具だったという結末にも納得しました。描いていたという話で逃れようとした人を、使っていた絵の具から追い詰めていくので、落ち着いて見届けられます。
そして、最後に見せられた肖像画。画家がどれだけコロンボの奥を探ろうとしても、出来上がった顔は親しみやすいままでした。
あの画家が筆を動かして、結局いつもの優しそうなコロンボを描いてしまったところには、少し笑ってしまいました。
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