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クルミットです♪
今回は、大勢のお客さんが見守る水槽脱出ショーの裏で、魔術師が殺人を犯します。舞台にいるはずの人が、別の部屋で人を殺す。その仕掛けに、コロンボが少しずつ近づいていくお話です。
手先が器用で、声まで使い分ける犯人。落ち着いた態度もなかなか崩れず、コロンボとのやり取りをじっと見てしまいました。
結末まで触れながら、それでは34話を一緒に見ていきましょう!
刑事コロンボ シーズン5第5話「魔術師の幻想」のあらすじ
今回の犯人は、クラブで娘と一緒に舞台に立つ魔術師です。得意とするのは、鎖と錠で閉じられた箱に入り、水槽へ沈められる脱出ショー。
しかし、華やかな仕事の裏には、娘にも明かしていない過去がありました。彼はかつて、ナチスの強制収容所で看守をしていた人物だった。
その正体を握っているのが、雇い主であるクラブの興行主です。収容所を生き延びた人が魔術師に気づき、興行主に知らせたことから秘密が漏れています。
ところが興行主は、当局に知らせる代わりに、その情報で魔術師を脅迫。収入の半分を要求し、金を受け取っていました。
収容所を生き延びた人が知らせてくれたのに、それを金づるにするなんて。そこまでして、お金が欲しい? この興行主には腹が立ちます。
魔術師は金を払う関係を終わらせようと、脅迫を拒みます。それによって興行主に、正体を当局へ知らせる手紙を取り出させるのです。
狙いは、興行主と手紙を一度に消すことだった。殺人に利用するのは、自分の脱出ショーです。
舞台では、魔術師の入った箱を助手たちが厳重に閉じ、水槽へ沈めます。その間は娘が手品を披露し、お客さんの目を舞台に引きつける仕組み。
最後に箱を開けると、中にいるのは娘。魔術師自身は、顔を隠していた助手の一人として姿を現します。
この入れ替わりには、箱の底と舞台の隠し戸が使われていました。魔術師は箱が水槽へ運ばれる前に抜け出し、舞台の下にある控室へ移動できるのです。
娘も最後にその通路を使って箱へ入ります。魔術師が水中にいるように見える時間、実際の本人は自由に動けました。
水槽に沈んだ箱を見せられたら、私もそこばかり気にしてしまいそう。もう中にいないなんて、すっかり引っかかっていました!
犯行当日、魔術師は控室で給仕の服に着替えます。かつらと付けひげもつけ、厨房を通って興行主の事務室へ向かいました。
忙しく働く人たちは、給仕の姿をした男を特に気に留めません。魔術師は顔を隠してこそこそ進むのではなく、その場で働く人に紛れて通り抜けます。
ただし、控室を空ければ困ることもありました。ショーの間には、いつも給仕がブランデーを届けに来るのです。
そこで用意したのが、無線マイクとスピーカー。離れた場所から話しかけ、控室の中にいるように思わせます。
室内では、模様のついたランプシェードを回転させていました。その光で、人が動いているようにも見せかけるのです。
給仕は扉越しに声を聞き、魔術師が控室にいると受け取ります。水槽の仕掛けが知られても、今度は給仕の証言が残るようにしてありました。
箱の仕掛けだけでも十分ややこしいのに、控室にいる証人まで作るんですね。飲み物を運んだ給仕は、知らないうちに利用されていて気の毒です。
事務室の前に着いた魔術師は、錠を開けて中へ入ります。給仕用の盆には、ナプキンで隠した消音器つきの銃が載せてありました。
そして興行主の胸を撃ち、殺害。銃を遺体のそばに落とし、自分の過去を明かす手紙を持ち去ります。
それだけでは終わりません。魔術師は興行主の声をまねて厨房へ電話し、事務室へコーヒーを運ぶよう頼むのです。
この電話には、殺された興行主が、まだ生きていると思わせる狙いがありました。声まで使って、犯行時刻をごまかそうとします。
魔術師は厨房を通って控室へ戻り、給仕の変装を解きます。そしてショーの終わりに間に合うよう、舞台へ復帰しました。
人を殺して戻ったあとも、お客さんの前で手品を続ける。その落ち着きが嫌でした。何も知らずに舞台を手伝っている娘のことも気になります。
事件を担当したコロンボは、事務室の扉に注目します。犯人は錠を開けて侵入したと考え、開錠のできる人物を探っていきました。
事務室の錠は特別に作られたもので、簡単に開けられる品ではありません。そこで気になるのが、脱出の技を持つ魔術師です。
コロンボは、水槽の中に閉じ込められていたというアリバイにも疑いを向けます。ショーの仕掛けが分かれば、魔術師には舞台を離れる時間があったことになるのです。
しかし魔術師には、控室へ来た給仕の証言が残っています。箱から出られると分かっただけでは、殺人に結びつきません。
そんな中、コロンボは魔術師の舞台へ手錠を持ち込みます。事務室の錠を作った職人に頼み、開けにくくしてもらった手錠でした。
その手錠を、本当に人前で渡してしまって大丈夫? 相手の得意な場所へ出ていくコロンボに、こちらが少し落ち着かなくなります。
魔術師は、その手錠も外してみせます。お客さんの前で、自分の腕を示したのでした。
ところがコロンボは、できると分かっていたという態度でウインク。魔術師の成功によって、難しい錠を開ける力があることも確かめられました。
魔術師も引き下がらず、自分を出し抜こうとした警部へ拍手を促します。舞台の上では、まだ余裕を保ったままだった。
手錠を外されて困るどころか、そこでウインクするコロンボ! 魔術師もすぐに切り返していて、二人とも相手の顔をよく見ています。
捜査では、興行主のシャツに残った汗も手掛かりになります。コロンボはそこから、撃たれる前に被害者がどこに座っていたかを考えていきます。
一方、魔術師は声や話し方を変えることにも長けていました。興行主を装った電話も、その特技を使ったものです。
それでも、犯行の動機につながる手紙は処分されています。魔術師は、自分の正体を記したものを残さないようにしていたのです。
ここでコロンボが目をつけたのは、事務室のタイプライターでした。紙に文字を打ちつける、当時の文書作成用の機械です。
その機械には、使用した部分に打った文字の跡が残る、カーボンリボンが使われていました。紙を持ち去っても、機械の中には文章を読み取れる跡が残っていたのです。
興行主が当局へ知らせようとしていた魔術師の過去も、そこから分かります。消した手紙の内容が、思いがけない場所に残されていました。
紙は持っていったのに、文字は機械の中に残っていたんですね。リボンから手紙の内容が出てくるところは、見ていてうれしくなりました!
最後には、コロンボも無線を使った仕掛けを用意します。事務室の中に自分たちがいて、魔術師の正体を話しているように聞かせるのです。
実際には、コロンボたちは階下で待機していました。その場を離れようとする魔術師を待ち受け、逃がしません。
そしてコロンボは、手紙のコピーを示します。魔術師はそれも処分しますが、用意されていたのは一枚だけではありませんでした。
何枚もあるコピーを前にしては、目の前の紙を消しても無駄です。隠していた過去も、興行主を殺した動機も、もう消せません。
せっかく出したコピーまで処分されて、一瞬困りました。でも、ちゃんと余分を作ってある! 相手が魔術師でも慌てないコロンボに、ほっとしました。
逮捕される魔術師は、完全犯罪を成し遂げたつもりだったと話します。コロンボは、完全犯罪も幻想にすぎないと返すのでした。
刑事コロンボ シーズン5第5話「魔術師の幻想」の感想まとめ
一番残ったのは、手紙のコピーを処分されても、コロンボが次を用意していた場面です。そこで犯人の思いどおりにならなくて、本当に良かったです。
魔術師は、箱から抜け出すだけではありません。服を変え、声を変え、部屋にいるようにまで見せかけます。あれこれ用意しているので、途中は給仕の証言を崩すだけでも大変そうに思えました。
そんな相手を追い詰めるのが、使い終わったタイプライターのリボン。手紙の紙ばかり気にしていた私も、あそこに文章が残るとは気づきませんでした。
手錠を持ち込む場面も好きです。得意げに外してみせる魔術師と、それを待っていたコロンボ。あのウインクには、少し笑ってしまいました。
ただ、興行主が脅迫していたからといって、魔術師を応援する気にはなれません。収容所での過去を隠し、その秘密を守るために人を殺しているんですよね。
興行主にも腹が立ちました。生き延びた人から話を聞きながら、お金を取ることに使っていたのが嫌です。殺されたこととは別に、そこはどうしても引っかかりました。
そして、父の正体を知らずに助手を務めていた娘。あの舞台を一緒に作っていた時間を思うと、切ないですね。
消された紙の代わりに次のコピーを出すコロンボを見て、もうこの人に手品は通じないんだなと、ようやく安心できました。
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