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クルミットです♪
人気ラジオドラマが村から一週間生放送されることになり、ディヴァイン夫人は来訪を心待ちにしていた。ところが放送中に出演者が倒れ、事件は台本と作り手の家に残る戦時の過去へつながっていく。
それでは124話を一緒に見ていきましょう!
※ここからは結末までのネタバレを含みます。
ブラウン神父 第124話 シーズン12第4話のあらすじ
評判が落ちている農村ラジオドラマの脚本家兼プロデューサーが、出演者を連れて故郷のキンブルフォードへやって来る。一週間、村から全国へ生放送する計画で、結婚回には聖メアリー教会が使われる。ブラウン神父は、鐘を鳴らすのは日曜のミサだけで、その週のほかの日は鳴らさないと約束する。
一行の宿は、プロデューサーが今も所有する生家の農家。農場主の役は彼の父がモデルで、その父は戦時中に無線で仲間へ情報を流していたという。結婚回の宣伝写真の撮影では、婿役の俳優がプロデューサーを総統呼ばわりし、娘役の若手女優を当てこすり、ベテラン女優には恥をかかせて怒らせる。
生放送の夜、効果音の担当者が事故で来られず、見せ場の長い台詞を削る案を示されたベテラン女優が効果音を引き受ける。婿役の俳優は放送中に喉スプレーを何度も使っており、番組の終わりに発作を起こして息を引き取った。
人が倒れる直前まで放送が続き、聴いていた側には役者が酔っているように聞こえていたという話がぞっとします。音だけのメディアならではの怖さが、序盤から効いています。
喉スプレーからストリキニーネが見つかり、効果音の机にも痕跡があったため、サリバンはベテラン女優を殺人の疑いで逮捕する。撮影の場で、被害者に死んでしまえと言い放っていたことも不利に働いた。面会に来た神父に、彼女は娘役の女優が被害者を恨んでいたと話す。
娘役の女優は、ウエストエンド初舞台になるはずのオーディションを、信用できない役者だという告げ口で失っていた。事情を知っていたのは被害者だけだと彼女は考えている。一方、神父がプロデューサーに問うと、本来の結婚回の最後で農場主が死ぬ予定だったことが明かされ、農場主役の俳優にも降板という動機が浮かぶ。
台本ひとつで出演者全員に動機が生まれる仕掛けが面白いところです。誰を降ろし、誰を退場させるかを書ける立場そのものが、容疑者を増やす構図になっています。
やがて有力な弁護士の働きかけにより、ベテラン女優は保釈される。弁護士を手配したのは農場主役の俳優で、彼は十年来彼女を想いながら打ち明けられずにいた。プロデューサーは彼女の役を降板させる筋書きに書き換え、娘の友人役にはディヴァイン夫人が起用される。
教会での放送の直前、神父はプロデューサーを呼び出す。登場人物が婿の死を嘆く録音の背後で、教会の鐘が鳴っていた。この週に鐘が鳴ったのは日曜だけだ。つまり彼は、被害者がまだ生きているうちから、その死を前提に台本を準備していたことになる。
神父はさらに、空襲を受けた都市にピンを刺した地図が書斎から消えたことを挙げ、父親がナチス側の放送に手を貸していた可能性を示す。プロデューサーは、被害者が家を探るうちにゲッベルスから父に宛てた手紙を見つけ、それを盾に番組を牛耳ろうとしたと認める。
彼は家にあった殺鼠剤を喉スプレーに混ぜていた。被害者が倒れたとき、服を緩めに駆け寄りながらポケットから手紙を取り戻していたのだと、神父は指摘する。それでも、聴取者のために表に出るわけにはいかないと、罪を明かすことは拒む。
本番では、去ろうとするベテラン女優の役に、農場主役の俳優が台本にない愛の告白をする。謝る彼に、プロデューサーはそれで完璧だったと応じ、番組は自分抜きでも続くと悟る。そしてサリバンに話があると声をかけ、出演者に番組を託した。
一行が村を発つ際、ベテラン女優は神父に礼を言う。農場主役の俳優は、番組の中でも現実でも結婚することになったと伝える。番組が苦手だと言っていたブレンダも、今は少し好きになったと認める。
ブラウン神父 第124話 シーズン12第4話の感想まとめ
いちばん気持ちよかったのは鐘の手掛かりです。冒頭で神父自身が、日曜以外は鳴らさないと約束していました。その何気ない取り決めが、音で物語を作る人の録音のほころびになるんですね。効果音だと言い返されても、自分の教会の鐘なら聞き分けられると返す神父がかっこよかったです。
動機の並べ方もうまいと思いました。オーディションを潰された娘役の女優、死ぬ予定だった農場主役、被害者に死んでしまえと言い放ったベテラン女優と、誰にでも理由がある。それなのに真相は台本の外、父親の戦時の秘密にありました。
父に弱い子豚呼ばわりされた記憶を抱えながら、父に恥じない番組をと願っていた人が、その父の秘密を守るために人を殺してしまう。皮肉な構図で、正直ちょっと苦い後味です。ただ、ゲッベルスの手紙は告白の場面で初めて出てくるので、地図や無線の伏線に比べると唐突さも残りました。
ディヴァイン夫人が二千万人の聴取者ではなく、村の友人たちのために演じると決める流れは好きです。長年の聴き手が作り手の側に立つ一夜になっていて、事件の重さを少しやわらげてくれました。
結末で面白いのは、神父の説得では動かなかったプロデューサーが、台本にない愛の告白を聞いて身を引く決心をするところです。自分がいなくても番組は続くと認めることが、サリバンのもとへ向かう一歩になっています。最後にラジオの登場人物を姿の見えない友人にたとえる言葉も、ブレンダの変化ときれいに重なっていました。
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