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劇団の『から騒ぎ』上演準備に、ブラウン神父やディヴァイン夫人も加わる。そんな中、主演俳優が除草剤入りの酒で死んだ。相次ぐ逮捕の先に浮かぶのは、亡き娘をめぐる怒りだった。第107話のあらすじと感想です。
それでは107話を一緒に見ていきましょう!
※ここからは結末までのネタバレを含みます。
ブラウン神父 第107話 シーズン10第7話のあらすじ
ケンブルフォードの劇団は、演出家夫妻が赤ん坊のうちに亡くした娘をしのび、シェイクスピアの『から騒ぎ』を上演しようとしていた。収益は小児病棟のために集める。ところが稽古中、主演俳優の酒をめぐって口論した演出家の妻が、舞台を降りる際に転んで脚を痛めた。
ベアトリス役の代役にはディヴァイン夫人が入り、ブラウン神父は修道士役を自ら引き受けた。グッドフェローはすでに端役をいくつも掛け持ちしている。ブレンダは、張り子の小道具を作る女性の助手についた。
神父は助言役にとどまらず、本当に修道士を演じるつもりでした。この出だしが軽やかです。グッドフェローの掛け持ちも含め、身内総出で幕を開けようとする空気が、事件前の楽しみでした。
稽古の後、ディヴァイン夫人は帰り際に台本を置き忘れたことに気づく。翌日、神父と夫人は主演俳優の家へ戻り、ソファで息絶えた彼を見つける。携帯用の酒瓶に除草剤が入れられたとみられた。夫人は前日の帰り際に生け垣へ消える人影を見ており、地元の農家の男性だと感じていた。
男性の農場では同じ除草剤を使っており、彼の手には紫の染みもあった。婚約者が主演俳優と会っていたのを知っていたことも動機とされ、男性は逮捕される。神父は、事故の後遺症で手が震える彼なら注ぐ際にこぼしたはずだが、現場にその跡はないと指摘していた。
神父が署で話を聞くと、男性はこう明かした。婚約者は結婚費用の足しにしようと、主演俳優の投資話で満足した顧客を演じ、偽の書類に署名していた。男性はサリバンに見つからないよう、その書類を取り戻しに行って焼き捨てたという。主演俳優は、相棒と組んで人々の暮らしを壊してきた詐欺師だった。
一方、神父はブレンダが運んでいた切り抜き済みの新聞を見て、警告状の送り主に行き着く。小道具係の女性はすぐに認めた。叔母が主演俳優にだまされた被害者で、相棒をたどるため投資を装って近づいた。そして警察や農家の男性、演出家夫妻に手紙を送っていた。
張り子の小道具も切り抜きの警告状も、どちらも新聞紙から生まれています。ブレンダの手伝いがそのまま手掛かりに転じる運びがうまいところです。
警察には別の匿名の手紙も届いていたが、小道具係の女性はそれを送っていないと否定した。現場写真を確かめると、酒瓶の頭文字の刻印が逆側にあった。演出家が持つ同じ形の酒瓶とすり替えられたとみられた。演出家はかつて詐欺を手伝ったと認め、殺害は否定したが逮捕される。
神父は演出家の妻に、ここまで彼女の思惑通りだと告げる。神父の見立てはこうだ。脚の固定具は張り子で、骨折は偽りだった。夫の無地の酒瓶に頭文字を入れ、誤った位置でいずれ目につくようにした。農家の男性が責められ続けることにしびれを切らして、警察に手紙を出した。
動機は詐欺ではなかった。娘が亡くなった日、主演俳優はオックスフォードでの手助けを演出家に求めていた。妻も、夫はおそらく何時間も家を空けていたと認める。署でサリバンに殺害を打ち明けた妻は、娘から夫を奪った男が許せなかったと語った。夫に罪を着せたのも、彼女が娘の死の責めを負わせた二人を罰するためだった。
劇団は上演をやり遂げた。シェイクスピア好きのサリバンがベネディック役を引き受け、本番の舞台でディヴァイン夫人と口づけを交わした。
ブラウン神父 第107話 シーズン10第7話の感想まとめ
まず事実として、主演俳優と演出家は劇団に入った頃、憧れた老俳優をまねてそろいの酒瓶を作っていました。若い日の友情の印が、そのまま毒のすり替えに使われたわけです。この皮肉が今回いちばん効いていると感じました。
サリバンは、市販の除草剤は誤飲を防ぐため紫に着色されていると説明していました。それでも、稽古中まで酒瓶をあおる人なら中身の色までは見ないだろうと思います。被害者自身の癖が仕掛けを成立させている。この組み立てがよくできていました。
脚の固定具が張り子だったという点は、ブレンダが小道具づくりに回された序盤とつながります。夫人の代役は、配役の穴埋めに見えていました。その起点が偽装だったと分かると、冒頭の転倒の見え方ががらりと変わります。
動機が詐欺の被害ではなく、娘を失った日に夫が家にいなかったことだった点は重いです。刻印をわざと誤った位置にして発覚させ、無実の農家の男性が疑われ続けると手紙で軌道修正する。冷静な計算と、誰を罰したいかへの強いこだわりが同居していて、犯人像に筋が通っていました。
神父の見立てでは、妻は小道具係の女性が送った記事で主演俳優の詐欺を知ったことになります。叔母の敵を追うつもりの告発が、別の怒りに火をつけた形で、ここは少し苦いですね。
それでも最後は、サリバンがベネディック役で舞台に立ち、ディヴァイン夫人と口づけを交わします。逮捕者が続いても幕を下ろさない劇団の意地と、二人の関係の進展が同じ舞台で重なりました。重たい真相のあとに、少し息がつける締めくくりでした。
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