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クルミットです♪
今回は、最先端の研究所が舞台の「愛情の計算」。ロボットまで登場する回ですが、気になるのは、息子の不正を知った父親の行動です。
息子に立派な科学者でいてほしい。その気持ちから、正しいことを言っている相手を殺してしまうのは、あまりにも身勝手でした。
そしてコロンボが最後に仕掛ける罠には、ちょっと複雑な気持ちにもなりました。息子を守ろうとする父親を見ていると、被害者のことがいっそうつらくなります。
それでは21話を一緒に見ていきましょう!
刑事コロンボ シーズン3第6話「愛情の計算」のあらすじ
アメリカの国防に関わる最先端の研究所。その所長の息子が、科学の分野で大きな賞を受けることになっています。
ところが、同じ研究所で働く博士が、その研究に不正があることを突き止めます。息子が自分の成果として発表したものは、亡くなった別の科学者の研究を盗用したものだったのです。
博士は所長に、息子本人が認めなければ自分が公表すると伝えます。他人の研究を横取りしたまま、賞を受け取らせるわけにはいきません。
所長は息子の名誉と研究所の評判を守ろうと、黙っていてほしいと頼みます。しかし、博士は応じませんでした。
ここで息子に謝らせてほしかった! 亡くなった科学者は、自分の研究だと訴えることもできないんですよね。
博士は、所長が息子にかけてきた期待にも厳しい目を向けています。息子を有名にしたいという父親の思いが、不正へ追い込んだのではないかと見ているのです。
息子のほうも、父親に認めてもらいたくて研究を盗用していました。受賞が近づいても、その成果を自分で生み出したわけではありません。
そして所長は、不正を認める代わりに博士を殺そうとします。
犯行の時間、研究所では、戦争の状況を想定したコンピューターの演習が行われる予定でした。本来なら所長が監督する仕事ですが、彼はロボットに代わりをさせる準備を進めます。
自分がその場にいるように見せかけて、研究所を抜け出すためです。
所長は研究所にある天然ガスで走る車を持ち出し、博士の自宅へ向かいます。博士の妻が授業を教えに出かけたあと、車で博士をひいて殺害しました。
悪いのは盗用した側なのに、どうして博士が命まで奪われるの? 息子を守りたいと言われても、これはひどいです。
所長は遺体を家の中へ運び込み、室内を荒らします。博士が家に押し入った何者かに殺されたように見せかけるためでした。
狙ったのは、博士が研究用に保管していたヘロインです。所長はそれを処分し、薬物を盗もうとした者の犯行に見せようとします。
博士の死だけでなく、犯人が家に入った目的まで作ってしまう。所長はそこまで手を加えてから、研究所に戻るのでした。
ところが、犯行に使った車には、博士をひいたときのへこみが残っています。この傷を、そのままにしておくわけにはいきません。
そこで所長は、人が見ている前で自分の車をバックさせ、犯行に使った車へわざとぶつけます。へこみは今の接触事故でできたものだと、周囲に思わせたのです。
みんなに見られて困るどころか、見ていてほしかったんですね。事故まで利用する所長に、じわじわ腹が立ってきます。
捜査に来たコロンボは、家の中に残った小さな跡に目を留めます。壁には靴墨がこすれた跡があり、遺体が運び込まれた可能性が出てきました。
室内を荒らしただけでは、博士がそこで殺されたことにはならないのです。
研究用のヘロインがなくなった状況にも、不自然な点がありました。容器に書かれていたのは、薬物の名前ではなく化学式だったからです。
薬物目当てに押し入った者が、その表示だけで目当ての容器を選べたとは、簡単には考えられません。
そしてコロンボが気にしたのは、灰皿に残された燃えたマッチでした。
博士は普段、火をつける際にライターを使い、妻はたばこを吸いません。そこにマッチが残っているなら、別の誰かが使った可能性があります。
コロンボはマッチの燃え方から、葉巻を吸う人物に注目します。所長にも、葉巻を吸う習慣がありました。
ロボットまで使って準備したのに、マッチ一本が残っていた! こういう小さなものを拾ってくれるコロンボには、ほっとします。
コロンボは早い段階から所長を疑いますが、疑いだけで逮捕はできません。所長には、演習を監督していたというアリバイがあります。
その演習を代わりに動かしていたロボットを作ったのは、まだ十一歳の少年でした。自分の研究室まで持っている、並外れた才能の持ち主です。
ただ、少年はいつも天才として扱われることに疲れていました。子どもとして接してほしい気持ちがあり、警察官になりたいという夢も持っています。
コロンボは少年の才能に関心を持ちながら、ごく自然に親しくなっていきます。少年を、難しい機械を作れる人としてだけ扱わないところがいいですね。
十一歳なら、子どもとして過ごしたい時間もありますよね。コロンボと仲良くなれて良かったです!
この回では、コロンボの犬の呼び名についても話が出ます。妻と名前の意見がまとまらず、結局「ドッグ」と呼んでいるのでした。
英語で、そのまま「犬」という意味です。何と呼んでも言うことを聞かないから、名前はあまり関係ないという説明までついていました。
名前が決まらないまま「犬」になってしまったのが、なんだかかわいい。重たい事件の途中で、この話には少し気持ちがゆるみました。
一方、息子は被害者の妻から、盗用を認めるよう説得されます。彼女は心理療法士で、息子の相談を受けている相手でもありました。
息子は研究の不正を認めることになります。所長が殺人まで犯して隠そうとした事実は、結局、隠し通せませんでした。
自分で認めるところまで来られたのに、博士はもう戻ってこない。それがきついです。父親にも、息子が認めるのを待っていてほしかった。
コロンボは所長を追いますが、犯人だと断定できるだけの確かな証拠をつかめずにいました。マッチから疑いを持っても、それだけですべてが決まるわけではありません。
そこで目を向けたのが、所長の息子への気持ちだったのです。
所長は、息子の名誉を守るために博士を殺しました。コロンボは、その息子が殺人犯として逮捕される状況を作り、父親の反応を引き出そうとします。
用意したのは、息子と被害者の妻が不倫関係にあったと話す偽の証人。息子に殺人の動機があるように見せるための、仕組まれた証言です。
そしてコロンボは、息子を殺人容疑で逮捕します。
盗用はしたけれど、殺していない息子を捕まえてしまうの? 所長に白状してほしくても、このやり方には戸惑いました。
息子が自分の犯した殺人の責任まで負わされる。所長は、その事態を受け入れることができません。
とうとう所長は、自分が博士を殺したと認めます。息子を救うために口を開くことが、コロンボの狙いでした。
息子の研究の不正が明らかになっても、父親が息子を守ろうとする気持ちは残っていたのです。
自白した所長は、コロンボに、どうして自分が犯人だと分かったのかを尋ねます。そして二人は、葉巻を分け合うのでした。
最後には自分の罪を認めてくれて良かった。でも、息子が連れていかれる前に言ってほしかった気持ちも残ります。
刑事コロンボ シーズン3第6話「愛情の計算」の感想まとめ
いちばん心に残ったのは、息子を逮捕された所長が、自分の犯行を認める場面でした。それまで隠し続けていた人が、息子に罪がかかると、もう黙っていられなくなるんです。
息子のことを大事に思っていたのは分かります。でも、その気持ちがあったなら、研究を盗んだと分かったときに、一緒に謝るほうへ進んでほしかった。
失敗した息子でも、受け止めてあげてほしかったです。
息子が父親に認められたくて盗用したことも、悲しかった。大きな賞をもらえても、研究した本人ではないことは、自分がいちばんよく分かっています。
もちろん、盗用した責任は息子にあります。亡くなった科学者の成果を、自分のものにしていい理由にはなりません。
それでも、被害者の妻に説得されて不正を認めるくだりでは、ようやく言えた、と少しほっとしました。そこへ殺人容疑での逮捕が来るので、落ち着いてはいられなかった。
コロンボの仕掛けにも、今回は素直に喜べませんでした。父親が自白するまで、殺していない息子が疑いを背負う場面を見ているのはつらいです。
その一方で、少年と接するときのコロンボには安心しました。十一歳の子が警察官になりたいと思っていることにも、ちゃんと付き合ってくれる。こういうところが好き!
そして、最後まで気にかかるのは殺された博士です。不正を知って、本人が認めなければ公表すると伝えただけでした。
所長が自白しても、妻のもとへ博士が帰ってくることはありません。研究の盗用も明らかになっただけに、あの殺人が本当に悔しい。
最後に所長とコロンボが葉巻を分け合う場面を見ても、私はまだ、博士を車でひいた所長を許せないままでした。
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