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クルミットです♪
シーズン3の幕開けは、オックスフォードの若手ファンタジー作家をめぐる事件。小説そっくりの殺人、怪しい関係者たち、そして見た目の似た二人の女性が登場します。真相に触れるネタバレを含むので、未見の方はご注意を。
それでは9話を一緒に見ていきましょう!
※ここからは結末までのネタバレを含みます。
ルイス警部 第9話 シーズン3第1話「愛とファンタジー」のあらすじ
大学の研究員でベストセラー作家でもあるドリアンは、新作ファンタジー小説の朗読会を開く。会場には彼の養母、婚約者、婚約者の父である医師、ファンタジーにのめり込む16歳の婚約者の弟がいた。イノセントとルイスも来ていて、ルイスの目的はファンの娘のためにサインをもらうことだった。
養母はイノセントの古い学友で、イノセントはルイスと彼女の仲を取り持とうと何度も口を出す。朗読会はそのまま近くのパブでのパーティーへ移り、パブの店員マリナは婚約者の弟に目を留める。
その夜、マリナはホテルの従業員の部屋に立ち寄ってから家へ向かったが、帰り着くことはなかった。古いペルシャの鏡で頭を殴られて殺されており、その手口はドリアンの新作に出てくる殺人をなぞったものだった。遺体のそばには血で言葉が書かれた紙があり、のちにボルヘスの幻想短編を指すものだと分かる。書いたのは犯人だった。
現場でホブソンが鏡にひっかけた駄洒落を飛ばし、ハサウェイが冗談には早すぎると返すやりとりがあります。陰惨な事件なのに、この二人らしい空気がちゃんと出ていて好きです。
ルイスとハサウェイは、マリナが副業で売春をしていて、婚約者姉弟の叔父である教授が客だったことを突き止める。教授は売春をさせるためにマリナをイギリスへ呼び寄せた人物でもあり、事件の時刻には別の女性と会っていた。婚約者の弟がマリナの後をつけて写真を撮っていたことも分かる。ドリアンは、店で酒を頼んだ程度で彼女のことは知らないと話す。
刑事たちは、マリナと婚約者の見た目の色合いや体格が似ていることに気づき、本当の標的は婚約者だったのではないかと考え始める。この見方は、大学の催しの場でドリアンが剣で殺されたことで強まっていく。
怪しい人物を次々と並べておいて、見た目の似た別人という一点で事件の形ががらりと変わる。この転換がうまいです。
決め手になったのは、小説第5章の末尾にある引用だった。養母に教えられたその一節をルイスが口にすると、ハサウェイが『オイディプス王』からの引用だと答え、ルイスはひらめく。母と結婚する男の物語だ。
真相は、養母とドリアンが、彼が15歳のころから性的な関係を続けていたことにあった。彼が婚約者と結婚しようとし、本当は自分だったはずのミューズという呼び名を婚約者に向けたことで、養母は一線を越えた。犯人はドリアンを装い、川沿いの道で帰るよう婚約者に伝言を送っていた。しかし婚約者は携帯電話をなくしていて、伝言を受け取らなかった。
物語は、養母を乗せたパトカーの後ろを、ルイスとハサウェイの車がついて走り去る場面で締めくくられる。
ルイス警部 第9話 シーズン3第1話「愛とファンタジー」の感想まとめ
いちばんぞっとしたのは、イノセントがルイスとくっつけようとしていた相手が事件の中心にいた人物だったことです。序盤の世話焼きが軽い笑いどころに見えるぶん、真相が分かってから振り返ると皮肉が効いています。
手掛かりの置き方も印象に残りました。第5章の一節は養母自身がルイスに示したものでした。その出典をハサウェイが言い当て、ルイスがそこから一気に結びつける。教養担当とひらめき担当という二人の役割分担が、謎解きの核心でそのまま生きていました。
容疑者の配置も上手です。叔父の教授はマリナをイギリスへ呼び寄せた人物で、印象は最悪です。婚約者の弟も後をつけて写真を撮っていたので、どちらも怪しく見えます。ところが真相はそのどちらでもなく、標的の取り違えという視点の転換で別の方向に開けていきます。
動機の引き金が、ミューズという一つの呼び名だった点も重いです。そして婚約者が携帯電話をなくしていたという偶然のせいで、無関係だったマリナが命を落としてしまいました。小説をなぞった派手な手口の裏にあったのが、ごく私的でゆがんだ執着だったという落差が、この回のいちばん苦いところでした。
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