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クルミットです♪
森で殺された大学教授の遺体には、錬金術を思わせる細工が施されていました。シーズン9第2話「錬金術殺人事件」は、罪を誰が赦せるのかという問いが、過去の事故と連続殺人に結び付いていく事件です。
それでは32話を一緒に見ていきましょう!
※ここからは結末までのネタバレを含みます。
ルイス警部 第32話 シーズン9第2話「錬金術殺人事件」のあらすじ
大学教授フィル・ベスキンが、人は他人の罪の重荷を引き受け、赦すことができるという考えを講演する。その後、女子学生から命を絶つと告げるメールを受けて森へ向かうが、そこで殺されてしまう。遺体には虫が集められ、錬金術の本の一節が残されていた。
メールの送り主とされた女子学生は、携帯電話をなくしたと話す。彼女の交際相手も行動について嘘をついており、疑いが向く。一方、フィルの妻と別の学者の関係や、学問上の対立も浮かぶが、それだけでは遺体に施された細工の意味が説明できない。
ルイス、ハサウェイ、マドックスは、フィルの仲間が作っていた宗教思想の集まりを調べる。一同はチャールズ・ウィリアムズの考えに傾倒し、他人の罪悪感を引き受ける儀式を行っていた。共通の入れ墨も、そのつながりを示している。
やがて仲間の女性教師が、白い服を着た遺体として川で見つかる。儀式を受けたばかりの彼女は、川に入る前に絞め殺されていた。続いて入れ墨師も殺され、体に黄色が施される。現場の色や象徴は、錬金術の段階をなぞるものと考えられた。
初めは難解な思想の争いにも見えますが、狙われた人たちが共有する過去へと捜査が向かいます。儀式の意味だけを解いても、殺された理由までは見えないのが厄介です。
フィルたちの知人で、研究の道を離れて清掃の仕事をしている女性も事情を隠していた。捜査が行き着いたのは8年前の交通事故。錬金術を研究していた男性が車にはねられて死亡し、その車にはフィル、女性教師、入れ墨師、そして清掃係の女性の4人が乗っていた。
実際に運転していたのは酒を飲んでいた清掃係の女性だった。だが、当時はフィルが運転していたと一同が口裏を合わせ、事故の本当の状況を伏せた。仲間が宗教的な赦しに救いを求める一方、彼女は自分を赦せないまま暮らしていた。
事故で亡くなった男性には息子がいた。いったんは女子学生の交際相手が疑われるが、彼の行動と家族関係が確かめられ、捜査は別の学生へ向く。清掃係の女性と親密な関係にあったその学生こそ、父を失った息子だった。彼は名前を変え、事故に関わった人たちへ近づいていた。
男子学生は、仲間同士で罪を赦し合うことが許せず、父に結び付く錬金術の象徴を使って復讐していた。ただ、最後に清掃係の女性を殺すつもりはなかった。彼女だけは自分を赦していないからだ。儀式の最後を自分自身の死で終わらせようとする彼を、刑事たちが止めようとする。
愛する相手を罪悪感から解放できると説かれた学生は、彼女に父を殺したことを赦すと伝える。しかし彼女が知るのは、目の前の恋人が自分の家族や友人を殺したという事実でもあった。父が恋しかったと語る学生を前に、復讐の儀式は終わる。
赦すと言われれば相手が救われる、という簡単な場面にはなりません。彼が新しく作ってしまった痛みを、彼女の問い返しが突き付けます。
事件と並行して、ハサウェイは病気の父をめぐってきょうだいと衝突していた。かつての学校を訪ね、父が長く聖職者に相談し、自分たちとの距離を悔やんでいたと知る。ルイスがホブソンと旅に出る準備を進めるなか、ハサウェイもきょうだいとの関係を立て直し始める。
ルイス警部 第32話 シーズン9第2話「錬金術殺人事件」の感想まとめ
いちばん引っ掛かったのは、罪悪感が軽くなることと、過去の責任を果たすことが同じ扱いになっていた点です。亡くなった人の家族を置き去りにしたまま仲間の間で赦しを得ようとすれば、遺族が納得できないのは分かります。ただ、その怒りが新しい殺人を正当化するわけでもありません。
清掃係の女性が最後の標的ではなかったという転換には、犯人なりの理屈が出ています。事故を起こした本人でも、自分を責め続けているなら生かす。誰を赦すかを自分で決める権利があるように振る舞う点では、彼が嫌悪した仲間たちにも似てしまっていると思いました。
黒、白、黄色と進む錬金術の象徴は、連続殺人の順番を考える手掛かりになります。一方で、決着に必要なのは象徴の知識だけではなく、なぜこの人たちだったのかというつながりです。古い事故の記録へ戻る捜査が、奇妙な現場を人間の恨みに引き戻してくれました。
ハサウェイが知った父の相談の話も、事件と響き合っています。父を遠い存在だと思っていても、その父の側にも後悔があった。すぐにすべてを修復できるわけではありませんが、知らなかった事情を受け取ることで、向き合い方が変わる余地はあるのですね。
終盤、ハサウェイがきょうだいと一緒に過ごす予定をルイスに話すやり取りには、少し気持ちがほぐれました。事件の赦しは苦いまま終わりますが、こちらの家族関係には、まだこれからできることがある。旅行を控えたルイスとの軽口も、次の最終回へ向かう二人の関係を感じさせます。
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