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クルミットです♪
創立20周年を迎えたホリデーキャンプで、場内アナウンスの途中に叫び声が流れ、経営者が絞殺体で見つかります。アリバイがないのはメイド一人だけ。神父が目を向けたのは、放送そのものと、数年間砂場になっていたプールでした。
それでは97話を一緒に見ていきましょう!
※ここからは結末までのネタバレを含みます。
ブラウン神父 第97話 シーズン9第7話のあらすじ
ブラウン神父とグッドフェロー、マロリー警部補の一家に、チャミーズ・ホリデーキャンプの創立20周年への招待状が届く。経営者のチャミー夫人は、亡き夫と開いたこのキャンプを20年切り盛りしてきた。ただ、ここ2週間ほどは悪質な悪戯に悩まされていた。今回、マッカーシー夫人とシドは登場しない。
スタッフは4人いる。花形のサンディ、熟練の芸人なのに役を回してもらえないジョック、犬の扮装をするグリフ、そして清掃係しか任されないメイビスだ。チャミー夫人は厳格を通り越して暴君気味に彼らを締め付けていた。メイビスはオレンジコートにしてほしいと願い出ていたが、何度も断られていた。
ショーの最中に、チャミー夫人の場内アナウンスが流れる。その声は途中で叫びと苦しむ声に変わった。一同がスタジオへ駆けつけると、夫人はマイクの前で絞殺されていた。凶器はメイビスのエプロンで、ほかのスタッフは舞台に出ていた。アリバイがないのはメイビスだけで、マロリー警部補は彼女を逮捕する。
全員が舞台にいて一人だけアリバイがない、というのは犯人にとって分かりやすすぎる状況です。自分だけが疑われる時間帯を選ぶのは愚かすぎる、という神父の指摘には素直に頷きました。
神父は、あのアナウンスは録音で、誰かのアリバイを作るために流されたのではないかと考える。しかし隠されたテープが見つからない限り、マロリー警部補は状況証拠を譲らない。そこで神父とグッドフェローは、残るスタッフを調べていく。
チャミー夫人の家では、鍵付きの引き出しから新婚旅行のアルバムが見つかる。あわせて雇用記録と劇場支配人からの手紙も出てきた。グリフにはロンドンの有名な劇場への出演話があったのに、夫人が彼の飲酒問題を指摘し、劇場は契約を取り消していたのだ。レコードのすり替えやナイフの刺さった人形といった悪戯は、グリフの仕業だった。
グリフの話から、メイビスがかつてオレンジコートだったことが分かる。神父は展示を見て、目玉のプールが数年間砂場になっていたことにも気付いていた。理由を問われたメイビスは、1938年に少年がプールで溺れ死んだことを語る。当時プールサイドで応急処置を担当していた彼女は、持ち場を1時間ほど離れていた。
少年は両親とはぐれ、立入禁止の表示が読めないまま清掃中のプールに入ったという。チャミー夫人とジョックは、事故が新聞に載らないよう、メイビスは別の子の世話をしていたと説明した。すぐに少年を引き上げなかった夫人についても、泳げないという嘘の証言で取り繕った。アルバムを隠していたのは、若い頃の夫人が海で泳ぐ写真が残っていたからだった。
鍵付きの引き出しに新婚旅行のアルバム、という一見ちぐはぐな品が、泳げないという嘘を崩す証拠になる。ここで線がつながる流れは気持ちよかったです。
溺れた少年の名はビリー・フェアフィールド。フェアフィールドをフランス語にするとボーシャンプになる。サンディの本名はアンドリュー・フェアフィールドで、ビリーの兄だった。彼は弟の死の真相を探るため、名前を変えてキャンプに入り込んでいた。そして事情を知るうちに、チャミー夫人とメイビスを責めるべき相手と見なすようになった。
こうして、サンディが夫人を殺害し、メイビスに疑いを向けた構図が明らかになる。手品が得意な彼には、遺体発見の騒ぎに紛れて録音テープを回収するのもたやすかった。彼は隠蔽に加わったジョックも狙い、舞台で使う仕掛けの剣をすり替えていたが、神父が間に合って事なきを得る。釈放されたメイビスは、念願のオレンジコートに戻った。
ブラウン神父 第97話 シーズン9第7話の感想まとめ
今回の肝は、マイク越しに届いた叫び声でした。聞いた側はその瞬間を犯行時刻だと思い込みます。そのため舞台にいた全員のアリバイが成立し、残った一人だけが浮き上がる。録音一本でこの構図を作ってしまう仕掛けが、地味ですが効いていました。
手掛かりの置き方も好みです。展示で見たプールが数年間砂場だった件、引き出しの新婚旅行アルバム、そしてフェアフィールドとボーシャンプの言い換え。それぞれは小さな違和感ですが、1938年の事故に向かって一本につながっていきます。名前の仕掛けは、気付けば一気に見え方が変わるタイプの手掛かりでした。
重かったのは、事故の後始末です。メイビスが持ち場を離れていたことも、夫人が助けに入らなかったことも、嘘でまとめて覆い隠されていました。サンディは、弟の死を気にも留めない夫人と、持ち場を離れて事故を招いたメイビスを責めるべき相手と見なし、隠蔽に関わったジョックにも矛先を向けます。罪を着せる相手に彼女が選ばれた筋も、その点ですんなり腑に落ちました。
結末でメイビスがオレンジコートに戻るのは、彼女の長年の望みが叶った形です。ただ、事故のとき彼女はオレンジコートとして応急処置も担当しながら、持ち場を離れていました。釈放されてよかったと思う一方で、その役職へ戻ることには、少し引っかかりも残りました。
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