ブラウン神父 第54話 あらすじ シーズン5第9話 蝶の本と一杯のココアが暴く、移動図書館の裏取引

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移動図書館を切り盛りする女性が車内で負傷し、続いて写真館の助手が命を落とす。蝶の本の貸出記録という地味な手掛かりから、小さな町の裏取引と、それを動かしていた人物が浮かび上がる回です。

それでは54話を一緒に見ていきましょう!

※ここからは結末までのネタバレを含みます。

BS12で10月15日からシーズン2をリピート放送中です!(木・金曜よる9時)

ブラウン神父 第54話 シーズン5第9話のあらすじ

教会の募金で移動図書館が支援を受けた日、ブラウン神父は延滞本の多さを指摘されていた。その最中に悲鳴が上がり、移動図書館の車内で責任者の女性が倒れているのが見つかる。発見したのは図書館助手の女性だった。責任者のけがは軽く、数日休めば戻れる見込みとなった。

責任者は写真館の主人の妻でもある。彼女が休むあいだ、マッカーシー夫人が代役を買って出て、バンティとともに移動図書館を受け持つことになった。一方、写真館で働く助手の青年は、付き合い始めたばかりの図書館助手に大事な話があると持ちかけていた。

その夜、写真館の主人は侵入者だと思い込み、クリケットのバットで相手を殴る。倒れていたのは助手の青年だった。マロリー警部補は、盗みに入った青年が見つかって襲いかかり、主人は身を守っただけだという見立てで早々に片付けようとする。

青年を幼い頃から知る神父は、彼が盗みを働く人物だとは思えない。暗室に隠されていたネガを司祭館で現像すると、写っていたのは町の若い女性たちの裸の写真だった。神父はさらに、主人の呼びかけに青年が答えなかったのは、すでに答えられない状態だったからではないかと考える。

警部補が検死医に確認すると、死因はバットではなくストリキニーネによる中毒だった。毒殺と分かると、警部補は裏の商売といえばこの人物だと町の古なじみの男を連行する。男の家からは裸の写真が見つかったが、本人は殺人への関与を否定した。

神父の疑問をその場で片付けるつもりで警部補が自分から電話をかけ、かえって毒殺を確かめる形になるのが痛快でした。この回の警部補は、決めつけが早いぶん空振りも派手です。

男は写真の入手方法を明かす条件として、マッカーシー夫人との散歩を求めた。神父は夫人に断りなくそれを受けてしまう。聞き出した方法は、延滞料の箱に半クラウンを入れて蝶の本を頼むというもの。該当する本は数か月で何十回も貸し出され、いつも一日ほどで返されていた。

蝶の本が合言葉代わりになっている仕掛けは地味なのに妙にしゃれていて、気に入りました。勝手に約束を取り付けられたマッカーシー夫人が怒るのは当然です。

やがて、女性からの匿名の通報を受けた警察が写真館を捜索し、主人を逮捕する。留置された主人は、自分は殺していないと妻に伝えてほしいと神父に頼んだ。その際、妻のココアがないと眠れないとこぼしている。

ネガを現像して確かめるうち、図書館助手の顔が見つかる。彼女は神父に打ち明けた。借金に困って延滞料に手を付けたところを責任者に見つかり、通報をちらつかされて写真の販売を手伝い、やがてモデルにもなったという。撮影中には青年が入ってきてしまい、口外すれば写真を町中に見せると脅されてもいた。

写真を売らないでほしいと頼んだ日、責任者は激高した。逃げようとした助手がつかんだ本棚が倒れ、責任者は倒れた。死んだと思い込んだ助手は青年に相談し、青年はネガを探して隠すと申し出ていた。助手の知る限り、青年も主人も撮影には関わっていなかった。

現れた責任者本人は、匿名の通報で夫に罪を着せ、店を売って町を出るつもりだったと明かす。撮影を見た青年については、ココアにストリキニーネを入れたと認めた。さらに神父と助手を移動図書館の車に閉じ込め、事故に見せかける計画を口にして走り出す。しかし車は途中で故障し、逃げた彼女は警察に捕まった。

神父は証拠として写真を警部補に渡し、処分したのは一部だと告げる。処分されたのは助手の写真だった。移動図書館は彼女が引き継ぐことになった。

ブラウン神父 第54話 シーズン5第9話の感想まとめ

いちばん感心したのはココアの扱いです。留置された主人が、妻のココアがないと眠れないと情けなくこぼす場面は、聞いた時点では夫婦の力関係を見せるだけの一言に思えます。それが青年の毒殺の手段そのものにつながるので、何気ない愚痴の中に答えが置いてあった、と後から気づかされました。

責任者の女性の描かれ方も効いています。序盤は事故に遭った被害者で、夫の酒や賭け事を神父に嘆く気の毒な妻に見えます。ところが実際は、助手の弱みを握って写真の販売に引き込み、匿名の通報で夫を身代わりに差し出していた。被害者の立場そのものを隠れみのにしていたわけで、反転の仕方がきれいです。

神父の写真の扱いは、なかなか際どい選択だと思います。警部補には処分したと言っておきながら、実際は助手の分だけを消して残りは証拠として渡す。捜査への協力としては褒められたものではありませんが、脅されて巻き込まれた助手が町で暮らし続けられるようにした判断には、私は納得しました。

その助手も、延滞料に手を付けたことが始まりで、まったく潔白というわけではありません。それでも最後に移動図書館を任される結末は、責任者が独り占めしようとしたものを、利用されていた側が取り戻した形に見えて、後味がよかったです。散歩の約束を巡るマッカーシー夫人の災難が最後まで続くのも、重い話のいい息抜きでした。

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