なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? 全話あらすじ ネタバレ|相関図・キャスト・感想・見どころまとめ

ご訪問くださりありがとうございます!クルミットです♪

亡くなる間際に残した言葉が、誰かに頼まなかった理由を尋ねる問いかけ。その妙な引っかかりが消えず、私までエヴァンズを捜す気分になりました。2022年にBritBoxで配信された、アガサ・クリスティー原作の英国ミステリー「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」。男性を助けようと駆け寄った先でこんな謎を渡されたら、気になってしまいます。

それに、調べ始めるふたりの組み合わせが好きなんです。牧師の息子で、ゴルフ場のキャディーとして働くロバート(ボビー)・ジョーンズと、幼なじみの伯爵令嬢フランシス(フランキー)・ダーウェント。フランキーが大胆に調査を進めるたび、そこまで踏み込んで大丈夫ですか、と心配になりました。ふたりのやり取りには笑ってしまいますし、育った環境の違いが顔を出すと、その距離も気になります。

私が途中で立ち止まったのは、亡くなった男性が持っていた女性の写真です。身元確認に使われた写真がボビーの見たものと違うとなれば、誰が入れ替えたのか、そもそも何を隠したいのかと疑ってしまいます。男性のそばにいた人物を頭の中で思い返して、私なりに順番を整理しながら見ていました。

この記事では、私が写真の食い違いに首をひねり、ボビーとフランキーの大胆な調査にハラハラしながら完走した感想を交えつつ、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」の全話あらすじとネタバレ、見どころを余すところなく紹介します。
ぜひ、ウェールズの崖で託された問いの答えを、ボビーとフランキーと一緒に見届けましょう♪

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目次

なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? あらすじ

ゴルフ場の崖を下りたボビーの手首を、倒れていた男性がつかみます。助けを待つ間に男性が口にしたのは、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という問いです。その意味を明かさないまま、男性は息を引き取ります。

転落は事故とされますが、ボビーには引っかかることがあります。男性の姉として現れた女性が、遺体のポケットに入っていた写真の女性と似ていません。確かにあの写真を見たはずなのに、目の前の話と合いません。

牧師の息子のボビーは、仲間のノッカーと中古車のガレージを開こうとしているところです。そんな折、幼なじみのフランキーが町へ戻ってきます。ボビーから話を聞いた彼女は、殺人の可能性を口にし、調査に乗り出します。二人が気にしたのは、崖でボビーと交代して遺体のそばに残ったロジャー・バッシントン・フレンチです。写真について確かめようと、その家族の屋敷へ近づいていきます。亡くなる直前の男性が気にしていたエヴァンズとは、いったい誰なのでしょうか。

見どころ

私は、男性がボビーの手首をつかむ場面で一気に引き込まれました。そこであの質問を残されると、誰のことなのか、何を頼む話なのか、こちらまで引っかかってしまいます。

フランキーには、ちょっと落ち着いてほしいです。ボビーから話を聞いて殺人の可能性を持ち出し、ロジャーの家族の屋敷に入り込んで調べようとするのですから。気になる相手の家へ自分で乗り込んでいくところには、かなりひやひやしました。家の中では相手と顔を合わせるわけですし、私なら早く帰りたくなります。そんな彼女とボビーが一緒に調査を進める様子には、危なっかしいと感じながらも、次に何をするのか気になりました。

フランキーのベレー帽とハイウエストのパンツも、私はかなり好きです。事件の途中でも、あの組み合わせを着てみたくなって、つい服に気を取られました。

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? 各話あらすじ」はこちらから

ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。

キャスト・登場人物

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」のキャスト&主な登場人物一覧です。

ロバート(ボビー)・ジョーンズ(演:ウィル・ポールター)

キャディーの仕事中に崖下の男性を発見し、息を引き取る直前の言葉を聞いた青年です。牧師の息子で、海軍を退役したあとは仕事を掛け持ちしながら、戦友のノッカーと中古車販売の仕事を始めようとしています。男性の持っていた写真への疑問から、幼なじみのフランキーと調査を進めていきます。高給の仕事を持ちかけられても、ノッカーとの約束を優先するところが好きです。

フランシス(フランキー)・ダーウェント(演:ルーシー・ボイントン)

私はフランキーの、思いついた計画を実行まで持っていく強引さが好きです。マーチャム伯爵家の令嬢で、ボビーとは子どものころからの知り合いです。ロジャーを調べるために仲間と自動車事故を偽装し、けが人として彼の暮らす屋敷に滞在するという大胆な行動に出ます。貼っていた絆創膏の位置が分からなくなるくだりには、そこを忘れてしまうのかと笑ってしまいました。

ノッカー・ビードン(演:ジョナサン・ジュールズ)

ボビーと中古車販売の仕事を始める、海軍時代の仲間です。ボビーを捜す謎の男が店に来ても居場所を明かさず追い返す姿には、この友人は頼もしいと、つい肩入れしたくなります。

ロジャー・バッシントン・フレンチ(演:ダニエル・イングス)

崖下に現れ、ボビーが教会へ向かう間、亡くなった男性のそばに残った人物です。後に男性の写真が別のものに変わっていたことから、ボビーとフランキーに疑われます。屋敷ではフランキーに愛想よく接しますが、事故の話を簡単には信じてくれません。私なら、この人との会話は余計なことを言わないように緊張してしまいます。

シルヴィア・バッシントン・フレンチ(演:エイミー・ナトール)

事故でけがをしたふりをするフランキーを、自宅で休ませてくれる女性です。ヘンリーの妻で、夫のモルヒネ依存に悩み、療養所への入院を考えています。

ヘンリー・バッシントン・フレンチ(演:マイルズ・ジャップ)

壊された屋敷の塀に腹を立てる姿から、私は少し身構えました。シルヴィアの夫でロジャーの兄にあたり、モルヒネに依存していて、療養所で受ける治療にも恐れを抱いています。

ジェームズ・ニコルソン博士(演:ヒュー・ローリー)

近隣の療養所を営み、ヘンリーの入院を検討するため、妻のモイラと屋敷を訪れます。フランキーの事故について車の向きや医師の行動から疑問を突きつけるので、見ているこちらまで落ち着かなくなります。

モイラ・ニコルソン(演:メイヴ・ダーモディー)

ボビーが亡くなった男性のポケットから見つけた写真に写っている女性です。ニコルソン博士の妻で、ボビーに夫への恐怖を訴え、助けを求めます。写真の人物が目の前に現れるだけでも、何を知っているのか気になります。

アメリヤ・ケイマン(演:モーウェナ・バンクス)

転落死した男性のきょうだいと名乗り、検死審問で身元について証言します。遺体から見つかった写真を自分の若いころのものと説明し、最初の写真を見ていたボビーを戸惑わせます。

レオ・ケイマン(演:リチャード・ディクソン)

アメリヤの夫で、妻と一緒にボビーの家を訪れ、亡くなった男性が最期に何を話したのかを尋ねます。

エンジェル/謎の男(演:ニコラス・アズベリー)

山高帽の姿が出てくるたびに嫌な予感がします。ボビーの周辺に現れ、教会では父親を威圧し、中古車の店ではノッカーに暴力を振るう男です。

トーマス医師(演:コンレス・ヒル)

ボビーにキャディーを頼んでいた地元の医師で、崖から叫び声が聞こえた際には救援を呼びに行きます。ボビーが毒を飲まされたあとには、彼に届いた求人話の会社まで調べていて、その面倒見のよさが印象に残ります。

ジョーンズ牧師/ボビーの父(演:アリスター・ペトリ)

ボビーの父で、息子がオルガンを弾く教会の牧師です。教会に謎の男が現れたことで、父親も事件の不穏な気配に触れることになります。

ジョージ・アーバスノット(演:ジョシュア・ジェームズ)

フランキーの友人の医師で、偽装した事故の現場に偶然居合わせたふりをして、彼女を屋敷で休ませるよう勧めます。

マーチャム伯爵/フランキーの父(演:ジム・ブロードベント)

地元の事情に詳しいフランキーの父です。ロジャーが近くで家を探していたという話を確かめるため、ボビーとフランキーが相談に訪れます。

マーチャム伯爵夫人/フランキーの母(演:エマ・トンプソン)

娘が着て出かけたお気に入りのドレスを汚され、フランキーと言葉を交わす場面には、母親としての遠慮のなさが出ています。家の中の事情を知っている使用人の存在に目を向ける発言には、私も妙に納得しました。

転落死した男性(演:レオン・オッケンドン)

崖の下でボビーに発見され、エヴァンズについての問いを残して息を引き取ります。ポケットに入っていた女性の写真や、魚の飾りがついた鍵が、その後の調査の手がかりになります。

相関図

調査の中心になるのは、幼なじみのボビーとフランキーです。ボビーが聞いた男性の最期の言葉と、写真の食い違いを二人で追っていきます。ボビーの戦友で仕事の相棒でもあるノッカーと、フランキーの友人の医師ジョージは、事故を偽装して屋敷へ入り込む計画に協力します。

バッシントン・フレンチ家では、ヘンリーとシルヴィアが夫婦で、ロジャーはヘンリーの弟です。フランキーはロジャーを調べるためにこの家へ滞在し、ボビーは彼女の運転手を装って調査を支えます。シルヴィアが夫の入院を考えていることから、近隣の療養所を営むニコルソン博士も屋敷を訪れます。

ニコルソン博士とモイラは夫婦です。モイラは転落死した男性が持っていた写真の女性でもあり、ボビーに夫への恐怖を訴えます。男性の身元について証言したアメリヤと、その夫レオもボビーを訪ね、最期の言葉を聞こうとします。

ボビーの父はジョーンズ牧師で、フランキーの両親はマーチャム伯爵夫妻です。ボビーが父の教会でオルガンを弾く礼拝にはフランキーも姿を見せ、調査が始まると二人で伯爵に地域の事情を尋ねます。

評価・レビュー

海外ドラマ「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」の評価レビュー&感想です。
全3話を完走したクルミットの正直な感想を書いています。
後半はネタバレありなのでご注意ください♪

最初に引き込まれたのは、第1話の崖の場面です。ボビーが崖を下りて、亡くなる間際の男性から「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」と聞くんですけど、このひと言が謎としてちょうどいい重さで残るんですよね。そのあと、遺体のそばを初対面のロジャーに任せて教会のオルガンへ向かうボビーには「え、任せちゃうの」と思いました。でも、そののんびりした感じも嫌いじゃないです。

幼なじみのフランキーと再会するあたりは、ほっと和みます。ミステリーなのにギスギスしなくて、崖の辺りで昔話をする二人を見ていると、こっちまで肩の力が抜けるんです。ただ、審問の会場に山高帽の謎の男がいたりして、のんびりしているだけでは終わらないのも第1話の時点でちゃんとわかります。

ネタバレありの感想

いちばん好きになったのは、ノッカーです。第2話でフランキーが事故を装って屋敷に入り込む作戦のとき、車が塀にぶつかる前に飛び降りる役を引き受けるんですよね。ボビーと中古車の商売を始めようとしているだけの人なのに、巻き込まれても文句を言わずに付き合ってくれて。だから最終話で窓から飛び込んでくるのを見たときは、「やっと来てくれた」と本気でほっとしました。

フランキーの作戦も、見ていて楽しかったです。母のドレスと運転手の制服をクリーニング店から受け取った時点で、もう次の手を考えているところとか。ただ、車をぶつけて血までつけて泊まり込むのは、さすがに無茶だと思います。シルヴィアが親切にしてくれるぶん、だましている側なのにこっちが申し訳なくなってしまいました。

イラッとしたのは、ロジャーです。第3話で、ニコルソン博士に事故の矛盾を突かれたフランキーを、ロジャーがかばってくれるんですよね。そのあと、モイラの写真を破ったのは新聞で騒がれないよう守りたかったからだと説明されて、私も「そういう事情なら…」と少し信じかけていました。モイラの話を聞いて、最初はニコルソン博士のほうが怪しいと思っていたのに、気づけば疑う相手が変わっていて。あの親切そうな顔を信じかけた自分にも、ちょっと腹が立ちました。

最終話は、ヘンリーが鍵のかかった書斎で亡くなる場面がいちばん残っています。ついさっきまでボビーが息子の宿題を手伝っていた家で起きるので、事件というより、残されたシルヴィアと子どものことを考えてしまって、きつかったです。

事件が決着したときは、爽快というより「終わってよかった」という気持ちのほうが近かったです。全3話なので長く引っ張られないのもありがたくて、ボビーとフランキーのやりとりをもう少し見ていたかった、というのが正直なところです。

みんなの評価 ― 本国と日本でこんなに違う

ここからは、私の感想とは別に、本国と日本のみんなの評価をまとめました。

本国と日本の評価

項目 本国・英語圏(IMDb) 日本(Filmarks)
平均スコア(2026年10月時点) 7.0 / 10 3.4 / 5
評価数(2026年10月時点) 10,114件 502件
分布 10点 12.0%/9点 10.0%/8点 22.6%/7点 29.6%/6点 15.1%/5点 5.3%/4点 2.1%/3点 1.0%/2点 0.9%/1点 1.4% 4.1〜5.0が9%/3.1〜4.0が62%/2.1〜3.0が25%/1.0〜2.0が4%

本国では、2022年にヒュー・ローリーが脚本・監督を手がけた全3話のドラマとして配信されて、2023年4月にはイギリスの地上波で3夜連続で放送されたようです。原作はアガサ・クリスティーが1934年に書いた小説で、ポワロやミス・マープルが出てこないクリスティー作品なんですよね。本国の評価は7点が一番多くて、8点以上をつけた人も合わせると半分近くになります。日本は3.1〜4.0に6割以上が集まっていて、私の感覚もそのあたりの落ち着いた「楽しめた」に近いです。

本国で賛否が分かれたところ

イギリスの新聞のひとつは、かなり褒めていました。会話が引き締まっていること、1930年代の空気の再現がすてきなこと、場面ごとにちょっとした楽しさが仕込まれていること。自転車の音や、退屈な説教の最中に響く咳まで楽しいと書かれていて、「わかる」と思いました。第1話のゴルフ場の始まり方からして、のんびりした空気が心地よかったので。

一方で、別のイギリスの新聞はかなり辛口でした。ポワロやミス・マープルのような有名な探偵がいない分、ボビーとフランキーが引っ張る力が必要なのに、演技が平板で、二人の間に化学反応がない、という指摘です。しかも、この作品は二人の恋を前に出しているので、余計に目立つと。

ここは、私はそこまで気になりませんでした。幼なじみの再会の和む感じが好きだったので、燃え上がる恋というより、昔からの距離感として見ていたのかもしれません。ただ、探偵役の軽さを物足りなく感じる人がいるのは、わかります。

原作にわりと忠実で、雰囲気も昔ながらのクリスティーだという評もありました。ヒュー・ローリーが第2話でニコルソン博士を演じていることにも触れられていて、私は後半でこの博士にだいぶ振り回されたので、ちょっと笑ってしまいました。

評価データ・参考資料

撮影秘話とトリビア

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」の世界をもっと深く楽しめる!知れば知るほど面白い、ドラマのトリビアや撮影裏話をご紹介します。
撮影場所や、制作に携わるキャストの情報を集めました♪

サリー州の村々とスリー・クリフス・ベイで撮影

主なロケ地は、サリー州のシアー村とオールベリー村です。撮影は2021年6月から8月にかけて行われました。また、スウォンジーのスリー・クリフス・ベイでも撮影されています。

ヒュー・ローリーは出演だけでなく脚本・監督も担当

ジェームズ・ニコルソン博士を演じるヒュー・ローリーは、本作の脚本と監督も担当しています。さらに製作総指揮にも名を連ねており、制作のさまざまな立場から「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」に携わっています。

ジム・ブロードベントとエマ・トンプソンも出演

マーチャム卿役はジム・ブロードベント、マーチャム夫人役はエマ・トンプソンです。

なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?のイギリスでの評価

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」は、アガサ・クリスティーの小説を映像化した、全3話完結のイギリス製ミステリーです。ヒュー・ローリーが脚本と監督を担当し、ウィル・ポールターとルーシー・ボイントンが謎に挑む若い男女を演じています。

配信からテレビ放送へ広がった作品です

イギリスでは2022年4月にブリットボックスで配信され、2023年4月にはITVXとITVでも紹介されました。物語を第3話で締めくくるミニシリーズとして制作され、配信後にテレビでも放送された作品です。

軽やかな演出と俳優陣が評価されています

ウィル・ポールターとルーシー・ボイントンの演技や、ふたりの息の合ったやり取りが高く評価されています。ヒュー・ローリーの演出についても、軽快な物語運びやユーモアが好意的に取り上げられています。一方で、物語のテンポや終盤のまとめ方には、物足りなさを感じる声もあります。

謎解きの仕掛けに加えて、主人公たちの個性や軽やかなやり取りも評価のポイントになっています。

全3話で結末まで描かれるため、短いシリーズでひとつの謎解きを楽しみたい方にも取り入れやすい作品です。

製作体制と原作 ― ヒュー・ローリーが脚本・監督・出演を担うクリスティー作品

『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』では、事件の謎とともに、主人公二人の掛け合いも楽しめます。その作風を支えているのが、ヒュー・ローリーの脚本と演出です。原作から受け継いだ部分と映像化で変えた部分をたどると、全3話にまとめられた物語の組み立ても見えてきます。

監督・脚本家

監督と脚本を兼任するヒュー・ローリーは、俳優として『ジーヴス・アンド・ウースター』にも出演してきました。本作では製作総指揮に加わり、ジェームズ・ニコルソン博士も演じています。脚本、演出、出演という複数の立場で作品に関わっている点が、製作体制の特徴です。

演出では、不穏な事件の合間にも会話のユーモアを織り込んでいます。ジム・ブロードベントとエマ・トンプソンが演じるマーチャム夫妻の場面も、その一例です。謎解きを進めながら、人物同士のやり取りにも時間を使っています。

原作小説

原作は、アガサ・クリスティーによる同名のミステリー小説です。1934年9月に英国のコリンズ・クライム・クラブから刊行され、1935年には米国のドッド・ミード社からも出版されました。

物語の中心にいるのは、ロバート(ボビー)・ジョーンズとフランシス(フランキー)・ダーウェントという二人のアマチュア探偵です。ウェールズとハンプシャーを舞台に、死にゆく男性が残した問いの意味を追っていきます。1980年と2009年にも映像化されており、繰り返しドラマの題材に選ばれてきた作品です。

ドラマ化での主な改編点

中心となる謎を引き継ぎながら、途中で起こる事件や終盤の決着には変更があります。以下は結末に触れる内容を含みます。

  • トーマス医師の運命:原作では殺害されないトーマス医師が、ドラマでは殺人事件の犠牲になります。冒頭の出来事に立ち会った人物にも危険が及ぶ展開が加わっています。
  • ロジャーの告白方法:原作のロジャー・バッシントン・フレンチは逃亡し、南米から送った手紙で犯行を告白します。ドラマでは身柄を拘束され、警察の留置場で主人公二人に犯行を説明します。
  • 主人公二人の関係の結び方:原作では二人が互いの気持ちを確かめ、婚約に至ります。ドラマではさらに結婚式まで描き、二人が車で旅立つ場面で締めくくります。

出品・制作体制

制作会社は、アガサ・クリスティー・プロダクションズとマンモス・スクリーンです。ブリットボックス向けの企画として、2021年4月にヒュー・ローリーによる脚色が発表されました。マンモス・スクリーンは、2009年にも同じ原作を『ミス・マープル』シリーズの一編として映像化しています。

撮影は2021年6月から8月にかけて行われました。主なロケ地はサリー州のシア村とオールベリー村で、ウェールズのスウォンジーにあるスリー・クリフス・ベイでも撮影されています。村の景観や海岸の風景を取り込み、1930年代を舞台とする物語を映像にしています。

OST ― クレア・フリーマンとエド・マーキスが音楽を担当

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」の音楽は、クレア・フリーマンとエド・マーキスが担当しています。

物語の中で音楽に関わっているのが、主人公のボビーです。ゴルフ場でキャディーを務める一方、教会ではオルガンを弾いており、演奏も彼の日常の一部になっています。

結末解説【ネタバレ注意】― 第3話で明かされる遺言偽造とボビー、フランキーの結婚

※この章はドラマ最終話の核心的な結末に触れています。本編未視聴の方は十分ご注意ください。

最終話のクライマックス

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」の第3話では、ロバート(ボビー)・ジョーンズとフランシス(フランキー)・ダーウェントが、ついにエヴァンズの正体へたどり着きます。エヴァンズは、富豪ジョン・サヴェッジの遺言作成に立ち会わなかった客間係の女性です。結婚してロバーツ姓になった彼女は、現在、ボビーの父の家で家政婦として働いています。

故郷へ戻った二人は、モイラ・ニコルソンと出会い、一緒にお茶を飲みます。モイラはロジャー・バッシントン・フレンチに追われていると訴え、二人の注意を外へ向けさせます。しかし、フランキーはその隙にモイラが紅茶へ何かを入れたことを見逃しません。紅茶を検査に回せるよう瓶へ移し、モイラを「ローズ・テンプルトン」と呼んで正体を突きつけます。

フランキーに促されたボビーが父の家へ駆けつけると、そこには家政婦と話すロジャーがいます。ボビーはロジャーと格闘し、家政婦も花瓶でロジャーの頭を殴ります。こうしてロジャーは捕まり、留置場で事件のからくりを語ります。一方、疑いを向けられていたジェームズ・ニコルソン博士は、今回の犯罪に関与していないことが明らかになります。

主要キャラの決着

ボビーとフランキーは、事件解決後に結婚します。ボビーは車の点火装置の部品であるワッシャーを指輪代わりにして、フランキーへ求婚します。その後、二人は地元の教会で、ボビーの父であるジョーンズ牧師の司式によって結婚式を挙げます。フランキーの衣装はクリーム色のパンツスーツと帽子です。最後はマーチャム家のラゴンダに乗り、夫婦として走り去ります。

ロジャーは捕まり、兄の殺害も認めます。ヘンリー・バッシントン・フレンチの死は自殺ではなく、ロジャーによる殺人でした。フランキーたちが聞いた銃声のような音は、煙突に仕掛けた鳥よけの装置によるものです。ヘンリーはその時点ですでに殺されており、音を利用して死亡時刻を誤認させていました。ロジャーは、フランキーを証人に利用するため、彼女が屋敷に滞在する時期を選んでいました。

モイラは、遺産を狙う計画の中心人物として正体を暴かれます。ローズ・テンプルトンという名でサヴェッジに近づき、ロジャーと組んで自分に有利な遺言を偽造していました。サヴェッジを薬物で殺害したうえで、自殺に見せかけていたことも明らかになります。夫に命を狙われているという訴えでボビーたちを惑わせてきましたが、最後の毒殺工作はフランキーに見破られます。

ノッカー・ビードンは、二人を監禁から救い出します。ボビーにフランキーを守るよう頼まれていたノッカーは、彼女を追って監禁場所へ到着します。そこで山高帽の男・エンジェルと格闘し、刺殺して二人を解放します。エンジェルは、崖の男性を突き落とし、トーマス医師を殺害した実行犯でもあります。ノッカーはその後、弁護士の助力を受け、訴追されずに釈放されます。

原作との違い

アガサ・クリスティーの原作とドラマでは、ロジャーの最後の立ち位置が異なります。原作のロジャーは逃亡し、後日、南米からフランキーへ送った手紙で犯行を説明します。ドラマではボビーと家政婦によって捕まり、留置場で直接、真相を語ります。

ボビーとフランキーの関係にも、描かれる到達点の違いがあります。原作では二人が婚約し、ボビーがケニアのコーヒー農園を管理する仕事に就くことになり、フランキーも同行に同意します。ドラマでは結婚式まで描き、二人が車で出発する場面で締めくくります。

また、原作ではトーマス医師は殺害されません。ドラマでは医師の死も事件の一部となり、終盤でエンジェルによる犯行と明かされます。原作にある、モイラが正体を見破られた後に銃で襲いかかる展開も、ドラマの紅茶をめぐる対決とは異なります。

なぜエヴァンズは遺言の証人から外されたのか

最後の謎を解く鍵は、エヴァンズが本物のサヴェッジの顔を知っていたことです。遺言の作成時、病床のサヴェッジになりすまして署名したのはロジャーでした。共犯者たちは料理人と庭師を証人に選び、家の中にいたエヴァンズには立ち会いを頼みませんでした。客の出入りに接する彼女なら、ベッドにいる人物が別人と気づいてしまうためです。

崖で亡くなった男性は、友人サヴェッジの死について調べ、エヴァンズを訪ねようとしていました。その最後の問いを聞いたボビーに対し、犯人側は遺言の不正まで知られたと思い込みます。しかし、ボビーとフランキーが問いの意味を理解するのは終盤です。何を知っているのかも分からないまま命を狙われてきた二人は、証人選びの不自然さから、遺言の署名者そのものが偽物という真相へたどり着きます。

基本情報

タイトル なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?(Why Didn’t They Ask Evans?)
英語タイトル Why Didn’t They Ask Evans?
配信(海外) 英国・米国では、2022年にBritBoxで配信されました。
放送年 2022年4月
話数 全3話
ジャンル 英国ミステリー(アガサ・クリスティー原作)
演出 ヒュー・ローリー
脚本 ヒュー・ローリー
主な出演 ウィル・ポールター(ロバート(ボビー)・ジョーンズ役)
ルーシー・ボイントン(フランシス(フランキー)・ダーウェント役)
ジョナサン・ジュールズ(ノッカー・ビードン役)
ダニエル・イングス(ロジャー・バッシントン・フレンチ役)
メイヴ・ダーモディー(モイラ・ニコルソン役)
ヒュー・ローリー(ジェームズ・ニコルソン博士役)
ジム・ブロードベント(マーチャム伯爵/フランキーの父役)
エマ・トンプソン(マーチャム伯爵夫人/フランキーの母役)

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