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クルミットです♪
今回は、若きモースの始まりとなるパイロット版「華麗なる賭け」です。少女の失踪事件を追って、かつて大学生活を送ったオックスフォードへ戻ることになります。
高価な詩集に、クロスワードの暗号。小さな疑問を拾うモースに感心していたら、その先には本人にとってもつらい真実が待っていました。
犯人と事件の結末まで触れながら振り返ります。
それでは1話を一緒に見ていきましょう!
刑事モース パイロット版「華麗なる賭け」のあらすじ
1965年。若い巡査のモースは、辞職願をタイプしていました。警察官を続けることに、すでに迷いがあったのです。
そんなモースが、行方不明になった15歳の女子生徒メアリーを捜すため、オックスフォード市警カウリー署へ派遣されます。
オックスフォードは、彼が大学に通っていた街。ただし、学業を終えることはできず、大切な恋人との別れも経験していました。
仕事を辞めようとしているときに、つらい思い出のある街へ戻るんですね。モースの足取りを想像するだけで、少し気が重くなりました。
捜査する側は、遺体が見つかる前から殺人の可能性を考えていました。応援の警官も集められ、メアリーの行方を追っていきます。
そこでモースが引っかかったのは、メアリーが持っていた高価な詩集でした。女子生徒の持ち物としては気になり、誰かと密会していた可能性を疑います。
この高価な詩集は、どうやってメアリーの手に渡ったんですか? 持ち物の小さな違和感を、そのままにしないところがいいです。
そして手掛かりになるのが、新聞のクロスワード。言葉の知識を使ってマスを埋めるパズルに、会う時間や場所を伝える暗号が隠されていたのです。
その出題者は、大学教授のストロミングでした。教授は自分が作るパズルを使い、メアリーに密会の約束を知らせていました。
新聞に載るものなら、周囲に見られても不自然にはなりません。二人だけに通じる連絡が、多くの人の読む紙面に紛れ込んでいたというわけです。
モースは暗号を読み解き、メアリーの居場所を突き止めます。しかし、そこで見つかったメアリーは、すでに亡くなっていました。
せっかく場所が分かったのに、生きて連れ帰ることはできない。まだ15歳だと思うと、ここはつらかったです。
メアリーとストロミングは、不倫関係にありました。そして教授の妻は、オペラ歌手のキャロウェイだったのです。
キャロウェイは、モースが以前から憧れていた人。冒頭で彼が聴いていたレコードも、彼女の歌でした。
若いころの苦しい時期、モースはその歌に支えられていました。本人にも、彼女の音楽に救われたことを伝えます。
好きな歌手というだけでは済まない相手なんですよね。しんどいときに助けてもらった歌の持ち主が、事件のすぐ近くにいるなんて。
メアリーは、不倫関係を妻にばらすとストロミングを脅していました。モースは、追い詰められた教授が彼女を殺したのではないかと疑います。
ところが、死亡した時刻をめぐって食い違いが出てきました。土曜の夜に殺されたと思われていたメアリーに、日曜の朝の目撃情報があったのです。
日曜の朝には、まだ生きていた? そこが変わると、教授を疑っていた話も変わってしまいます。
この目撃情報によって、ストロミングのアリバイが成立。モースたちの捜査は振り出しに戻ります。
一方、メアリーの交際相手だった青年も亡くなっていました。こちらは自殺したように見える状態だったため、警察は二人の死を結びつけて考えます。
青年がメアリーを殺し、後悔して自ら命を絶った。そう受け取れる状況があったのでした。
しかし、捜査を進めるうちに、メアリーの周囲にいた大人たちの問題が次々と出てきます。
政治家や実業家、大学関係者、警官までが関わる、未成年の少女を性的に利用する違法な集まり。その少女たちには、メアリーと同じ女子校に通う生徒も含まれていました。
少女たちを守る側にいてほしい大人ばかり。肩書のある人たちが集まって、子どもにこんなことをしていたのは腹が立ちます!
少女たちを引き合わせていた男は、警察の上層部にも知り合いがいることを頼みにしていました。実際、金を受け取っていた刑事もいたのです。
警察内部の問題は、賄賂だけではありません。弱みを握られ、脅されている幹部もいました。
捜査で何かが分かるたび、身近な警官を信用してよいかまで疑わしくなっていきます。捜査を率いる上司にとっても、安心できない状況でした。
その中で上司が認めていくのが、モースの頭の働きと誠実さ。彼を、信頼して捜査を任せられる相手としてそばに置きます。
ここでモースをきちんと見てくれる人がいて良かった! 辞職願を書いていた彼にも、頼りにしてくれる上司ができました。
メアリーの家族についても、隠されていた事実が分かります。姉とされていた女性が実の母親で、両親として暮らしていた二人は祖父母でした。
当時は、結婚せずに子どもを産むことへの世間の目が厳しい時代。祖父母は、メアリーを自分たちの娘として育てることにしたのでした。
そして実の父親は、あの少女たちを大人の男に引き合わせていた人物だったのです。彼は母親との間にできた子どもを、認めようとしませんでした。
その男が利用していた少女たちの中に、自分の娘までいたという事実。家族の事情を知ると、メアリーの置かれていた状況がいっそうつらくなります。
娘を認めず、その娘までこんな集まりに関わっていたなんて。自分には警察の知り合いがいると頼みにしていた男に、ますますイライラします。
重い捜査の途中には、上司がモースにビールを勧める場面もあります。モースはもともと酒を飲まないと断るものの、勧められて口にすると気に入った様子でした。
モース、最初はお酒を飲まなかったんですね。上司に勧められた一杯を受け入れるところには、少しほっとしました。
そしてモースがたどり着いた犯人は、ストロミングの妻キャロウェイでした。メアリーと交際相手の青年、二人を殺したのは彼女だったのです。
青年の死も自殺ではありませんでした。キャロウェイが殺害したうえで、自ら命を絶ったように見せかけていたのでした。
メアリーを殺した青年が、その罪を悔やんで死んだという見方は、崩れていきます。モースは、憧れていた歌手の犯行を突き止めました。
キャロウェイだったなんて。自分を支えてくれた歌を思い出しても、目の前の犯行は消えてくれない。モースには、きつい答えでした。
キャロウェイは逮捕されます。しかし、その後、警察に身柄を拘束されている間に自ら命を絶ってしまいました。
犯人を突き止めたモースに残ったのは、深い悲しみでした。彼は再び、警察を辞めることを考えます。
逮捕で終わってほしかったです。殺された二人のことも重いのに、キャロウェイの死まで受け止めることになるのは、あまりにつらい。
それでも上司は、モースの刑事としての力を認めています。事件を一緒に追う中で、信頼できる若者だと分かっていたのでした。
終盤、モースは上司から、20年後の自分をどう思い描くかと問いかけられます。そして鏡に目を向けると、そこには年を重ねたモースの顔が重なるのでした。
刑事モース パイロット版「華麗なる賭け」の感想まとめ
いちばん残ったのは、キャロウェイが二人を殺したとモースが突き止めるところでした。彼女の歌に助けられたという話を聞いたあとでは、犯人が分かったことを喜ぶ気持ちになれません。
好きな歌を聴くと、そのころの自分まで思い出すことがあります。モースにとってキャロウェイの歌は、苦しかった時期を過ごすために必要なものだったんですよね。
その人の犯行を、自分で明らかにする。モースが警察を辞めたくなったことを、簡単に弱いとは言えなかったです。
それでも、メアリーと青年を殺した事実から目をそらさなかったところは、モースを応援したくなりました。憧れの相手でも、亡くなった二人のことを置き去りにはしなかった。
キャロウェイには、生きて事件に向き合ってほしかったです。拘束中の死を知るところまで来ると、もうモースに何と言ってあげたらいいのか、言葉が出ませんでした。
そして、少女たちを利用していた大人には腹が立ったまま。警察にまで関係者がいるのでは、助けを求める相手も選べません。
メアリーの本当の母親のことも引っかかります。姉という立場で娘のそばにいて、その娘を亡くしてしまった。家族の関係が分かったあとでは、彼女のつらさまで気になってしまいます。
だからこそ、上司がモースを信頼してくれたのはうれしかったです! 周りの大人にがっかりすることが多い事件だったので、この人がいてくれて助かりました。
最後の鏡に重なる、年を重ねたモースの顔も忘れられません。まだ辞めることを考えている若い彼を見ていると、そこまで歩く間にも苦しいことがあるのだと、少し心配になります。
傷ついたモースに20年後の自分を考えさせる上司の声には、もう少しここにいてもいいと私まで思えて、ほっとしました。
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